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国内テニス

インカレ室内で成長著しい田口涼太郎が初の日本一!今後の進路については「まだまだテニスを続けたい」<SMASH>

内田暁

2021.12.05

女子優勝の阿部宏美(筑波大)。写真提供:全日本学生テニス連盟

女子優勝の阿部宏美(筑波大)。写真提供:全日本学生テニス連盟

 迎えたファイナルセットでも、勢いに勝る田口が第3ゲームでブレークに成功。その後は白石に幾度もブレークチャンスを握られながらも、危機の時ほど田口のサービスは白石の読みの逆に刺さった。

 決定的な分水嶺は、田口サービスの第8ゲーム。白石が2連続ブレークポイントを手にするも、この場面で田口は、ワイドに鋭く切れるスライスサーブで、白石に反応すらさせぬエースを決めた。

 諦めきれぬようにボールマークを確認した白石は、「めっちゃ(ラインに)掛かってるわ。ナイスサーブ」と声を漏らす。このエースを皮切りに、田口は4ポイント連取でキープに成功。

 そして、2ゲーム後——。最後は、田口のボレーを必死に追った白石の返球がネットを越えず、3時間34分の死闘に終止符が打たれる。その時、田口はコートに背から倒れ込み、“日本一”の雄叫びを上げた。
 
 激闘の、数分後。互いの健闘を称え、「あのポイントが取れてたらな~」と笑顔で試合を振り返る二人の姿があった。

 既に多くの学生タイトルを手にしている白石は、再来年の卒業後のプロ転向を既に表明している。一方、テニスは大学までと考えたこともあった田口は、「今はテニスが楽しい。まだまだテニスを続けたい」と表情に光を灯す。

 先行してきた白石と追い上げる田口の足跡は、この先で幾度交錯し、どのような名勝負を生むだろうか?二人の成長曲線で紡ぐ物語の先に、田口の進むべき道も浮かび上がってくるはずだ。

【全日本学生室内テニス選手権大会 決勝結果】
■男子シングルス
田口涼太郎(近大)5-7、6-1、6-4 白石光(早大)
■女子シングルス
阿部宏美(筑波大) 6-2、3-6、6-0 永田杏里(慶大)
■男子ダブルス
藤原・下村(慶大)3-6、6-1、10-8 丹下・白石(早大) 
■女子ダブルス
神鳥・齋藤(早大) 7-6(5)、6-3 清水・谷井(駒大)

取材・文●内田暁

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