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国内テニス

望月慎太郎が17歳でツアー本戦出場を果たした舞台裏。常に上のレベルの大会出場を狙え【山中夏雄コーチ】<SMASH>

山中夏雄

2022.01.26

2021年2月にはわずかなチャンスを信じてシンガポールへ行き、ツアー本戦初出場を果たした。左が著者の山中氏。写真提供:山中夏雄

2021年2月にはわずかなチャンスを信じてシンガポールへ行き、ツアー本戦初出場を果たした。左が著者の山中氏。写真提供:山中夏雄

 本戦では302位の相手に1回戦で負けました。ここまで行動したのに負けたことに加えて、IMGアカデミーで一緒に練習している選手が勝ち星を挙げたこともあり、この敗北をすごく悔しがっていました。この経験が、約1か月後のATPマスターズのマイアミ大会予選突破の原動力になったと思います。選手の成長とは、この繰り返しなのでしょう。

 慎太郎の経験から皆さんに伝えたいことは、少しでも早く上のレベルの大会を経験した方がいいということです。負けたとしても、そのレベルで勝つ方法を作り上げていく方がテニスのレベルは上がります。

 私は慎太郎のランキングが1000位を切った時ぐらいから、フューチャーズとチャレンジャーの両方にエントリーして、常にチャレンジャー予選に出場できるチャンスをうかがっていました。ランキング的にははるか上のツアー予選のエントリーも加えていたわけです。それほど、上のレベルで戦う経験は選手を成長させてくれます。
 
 シンガポールに出場後は、慎太郎も「チャンスがあればツアーにも行くぞ」という考え方に切り替わっていました。17歳でツアーに出場できたことが、技術面だけでなく気持ちの面でも飛躍する切っ掛けになったのです。

 フューチャーズやチャレンジャー、更にはATPツアーも日本で開催されているので、若い選手に出場の機会が与えられると成長につながると思います。

文●山中夏雄(盛田正明テニスファンド・IMGアカデミー常駐コーチ)

【PHOTO】ウインブルドンJr.を制した望月慎太郎の基本に忠実なリターン連続写真!

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