数字ほどに簡単な試合でなかったことは、二人の「このスコアは意外」の言葉に映される。事実、4度のデュースを繰り返した第2セットの第8ゲームを取られていたら、試合の流れは変わっていたかもしれない。
この苦しいサービスゲームを、青山は「マルティッチ選手はIフォーメーションを嫌がっている」と感じ、セカンドサービスでI(アイ)フォーメーションを貫いて取り切った。
続くリターンゲームでは、「ワイドにキックサーブを打ち、前衛がポーチに出る」という相手の攻撃パターンを察した青山が、柴原に「リターンをストレートに思い切って打ってみたら」と助言する。そのアドバイスを胸に「ストレートに打つと決めていた」という柴原が、ブレークポイントで豪快なリターンウイナーを叩き込んだ。
最後の柴原のサービスゲームでは、青山が3連続でポーチを決め、ベスト4への扉を開く。勝負所を見極め、磨いた武器で確実に仕留める、まさにダブルス・スペシャリストの真骨頂だった。
第2シードとしてのベスト4進出は、順当な結果のようにも見える。
ただ青山が「数字なので気にしていない」と言うように、シード順は何かを保証するものでは決してない。現に、準々決勝の相手はノーシード。そして27日の準決勝で当たるダニリナ/ハダッドマイヤーも、接戦を勝ち上がってきたノーシードだ。
この世界に長く身を置き、ダブルスの真理を知る青山は、「自分が第2シードというのは、面白いなって」と、どこか他人事のように笑った。
一方の柴原は、「第2シードになれたのは、去年すごく良い結果を出し続けたから」と、得た地位を実績と実力の対価と捕らえ、自信へと昇華する。
青山の冷静さと、柴原のポジティブな姿勢——。
その二大要素の化学反応は、グランドスラムの頂点という目標に向け、さらなるエネルギーを生みだしている。
現地取材・文●内田暁
【PHOTO】青山/柴原ら、世界で戦う日本人女子テニスプレーヤーたち!
この苦しいサービスゲームを、青山は「マルティッチ選手はIフォーメーションを嫌がっている」と感じ、セカンドサービスでI(アイ)フォーメーションを貫いて取り切った。
続くリターンゲームでは、「ワイドにキックサーブを打ち、前衛がポーチに出る」という相手の攻撃パターンを察した青山が、柴原に「リターンをストレートに思い切って打ってみたら」と助言する。そのアドバイスを胸に「ストレートに打つと決めていた」という柴原が、ブレークポイントで豪快なリターンウイナーを叩き込んだ。
最後の柴原のサービスゲームでは、青山が3連続でポーチを決め、ベスト4への扉を開く。勝負所を見極め、磨いた武器で確実に仕留める、まさにダブルス・スペシャリストの真骨頂だった。
第2シードとしてのベスト4進出は、順当な結果のようにも見える。
ただ青山が「数字なので気にしていない」と言うように、シード順は何かを保証するものでは決してない。現に、準々決勝の相手はノーシード。そして27日の準決勝で当たるダニリナ/ハダッドマイヤーも、接戦を勝ち上がってきたノーシードだ。
この世界に長く身を置き、ダブルスの真理を知る青山は、「自分が第2シードというのは、面白いなって」と、どこか他人事のように笑った。
一方の柴原は、「第2シードになれたのは、去年すごく良い結果を出し続けたから」と、得た地位を実績と実力の対価と捕らえ、自信へと昇華する。
青山の冷静さと、柴原のポジティブな姿勢——。
その二大要素の化学反応は、グランドスラムの頂点という目標に向け、さらなるエネルギーを生みだしている。
現地取材・文●内田暁
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