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海外テニス

新体制のチームを築き「勝利を求めすぎた」ダニエル太郎が、全仏OP1回戦で「すっごい苦しい負け」<SMASH>

内田暁

2022.05.23

メンタルコーチをメインコーチに迎え、アナリストもチームに加わり、今季好調なダニエル太郎。(C)Getty Images

メンタルコーチをメインコーチに迎え、アナリストもチームに加わり、今季好調なダニエル太郎。(C)Getty Images

 今日の試合が「すっごい苦しい負け」なのは、現在のダニエルの好調が、心の揺らぎの制御に基づいているからだろう。

 今年4月にダニエルは、ジャッキー・リールドンを、メインコーチに据えた。リールドンは約1年半にわたり、ダニエルの“メンタルコーチ”を務めてきた人物。その指導者との取り組みは、ダニエルの中にあった“テニス強化”の概念を変えたという。

「ジャッキーさんと取り組みはじめてから、コーチだけとか、技術やメンタルだけというのを信じないようになりました。最初は、彼女を“メンタルコーチ”のボックスに押し込めていたけれど、テニスをやっている人なので、テクニックも見てくれるし、メンタルとテニスの繋がりなど細かいことも見えている」
 
 人が築いた既存の枠を取り払い、リールドンを“メインコーチ”に据えたことそのものが、ダニエルの変化の証だろう。さらには最近では、データ分析を担当するアナリストもチームに招き、新体制をいっそう強化している。

 完全アウェーの状況下で、「勝利を求めすぎた」がゆえに喫した今大会の敗戦は、ダニエルにとって新たな経験でもあった。

「今は良かったなと思えないけれど、1週間くらいたったら、あれはよい経験だったと思えるかも」。

 今季の一つの目標は、年間を通じてコンスタントに転戦すること。過去には避けたこともあった芝のシーズンも、可能な限り大会に出ていく予定だ。

 今回の「すっごい苦しい負け」を糧として、次の戦いに向かう。

現地取材・文●内田暁

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