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国内テニス

車いすテニス、ジュニア、プロが垣根を越えてガチで対決!無限の可能性を秘めた『WJPチャレンジテニス』<SMASH>

内田暁

2022.10.24

今年のWJPチャレンジテニスでは男子プロ対女子プロのガチンコ対決も実施された(左は加藤未唯、右は小野田)。写真:長浜功明

今年のWJPチャレンジテニスでは男子プロ対女子プロのガチンコ対決も実施された(左は加藤未唯、右は小野田)。写真:長浜功明

 それから1年後―。16歳にして世界ランキング4位となり、小田はこのイベントに戻ってきた。船水梓緒里と組んだ車いす混合ダブルスでは上地結衣/荒井組に敗れるも、同世代の中新ゆずりはと組んだニューミックスダブルスでは、斎田悟司/小野田倫久に完勝。今や、国枝慎吾が自ら後継者と認める16歳は、3回目の開催にして実現した有観客たちの前で、その実力とこの1年の成長をいかんなく発揮した。

「あれは苦しい敗戦でした」

 そう1年前を振り返る小田は、「去年対戦した佐川君とは同じ歳ということもあり、連絡を取り合ったり、お互い凄く良い刺激を受け合っています」と明るい笑みを広げる。昨年、松井が確固たる決意で灯した火種は、2人の胸に情熱として宿っていた。

 毎回、対戦カードのバリエーションも増やしているこのイベントで、今回新たに加わったのが、男子対女子のプロプレーヤー対決だ。

「人選は色々とすごく考えた」と荒井が明かす選考の末に、実現したのが加藤未唯と小野田の対戦である。加藤は、現在ダブルスの世界51位。44歳の小野田は元単世界301位で、現在はコーチとして活動中だ。
 
 その2人のシングルス対決は、サービスに顕著な小野田のパワーに、加藤がスピードとショットバリエーションで立ち向かうという、魅力ある対立構図に。タイブレークにもつれ込む一進一退の攻防は、観客が声も忘れて見入り、ウォームアップのため隣のコートに居た上地も「いい試合で、思わず最後まで見てしまった」と言ったほどだ。

 久々にシングルスを戦い、試合後には観客から「かっこよかったです」と多く声を掛けられた加藤は「やっぱりシングルスをやりたいな、シングルスで勝つとうれしいなと感じた」と言う。

「来年はシングルスも考えてスケジュールを組んでいきたい。後悔して引退したくない」の言葉は、この試合が新たな始まりになることを予感させるものだ。

 昨年までの基本フォーマットだったチーム戦形式を排し、一戦ごとの濃度と「ガチな戦い」をテーマとした今大会。その結果、多様なプレースタイルや人生観が交錯して帯びた熱は、チャレンジの火種となり、ここから燃え広がっていくはずだ。

取材・文●内田暁

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