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国内テニス

加藤未唯と宮崎百合子が決勝進出!優勝のカギは「自分らしいテニス」貫徹【島津全日本室内テニス選手権】<SMASH>

内田暁

2022.12.24

頂点を懸けて戦う宮崎百合子(写真)と加藤未唯。ともに明日の決勝では「自分らしいテニス」を貫く覚悟だ。写真:京都府テニス協会

頂点を懸けて戦う宮崎百合子(写真)と加藤未唯。ともに明日の決勝では「自分らしいテニス」を貫く覚悟だ。写真:京都府テニス協会

 対する加藤未唯は、清水寺も金閣寺も、物心がついたころから、そこにあるものとして育った京都人。2014年の島津全日本室内テニス選手権を制するなど、ここは正に地元の大会だ。

 ただこの4年ほどはダブルスに軸足を移し、シングルスは時おり出る程度。それでも心のどこかでは常に、「やっぱりシングルスは楽しい、シングルスがしたい」との想いを灯していた。

 シングルスの練習に本格的に打ち込んだのは、今年のツアーを終えた10月以降。11月の慶應チャレンジャーで予選を勝ち上がり準優勝すると、1000位台だったランキングは一気に600位台まで上昇した。

 本来ならオフシーズンの時期に開催されるこの大会は、出場予定には入っていなかったという。それが、ランキングが上がったこと、そして何より「家族が試合を見たい」と願ったため、予選からの出場に踏み切った。

 当初は本人の中ではあくまで、“トレーニング期間に積む実戦”という位置づけ。

 ただ、2回戦で第1シードの土居美咲を接戦の末に破った時は、「次の試合で勝たなくては、この勝利の意味がなくなる」と表情を引き締めた。
 
 準々決勝の細木咲良、そして準決勝で第3シードのキャロル・ジャオ戦後には、「駆け引きがまだまだ出来ていない」「もっと前に出られる場面があった」と、勝利にも関わらず課題点を列挙する。失うもののない挑戦者から、戦闘モードに完全移行した風情だ。

 その加藤を宮崎は、「ジュニアの頃からトップ選手。シングルスでも100位近くにいたし、ダブルスもすごく上手な選手」と評する。その上で「自分のテニスを貫いて、我慢するところはしながらも、アグレッシブに戦いたい」と意気込みを口にした。

 対する加藤も「決勝とは思わず、良いプレーをしたい。そこで優勝がついてくればこの上ない幸せですが、そこは考えずに、伸び伸びと自分のテニスをしたい」と言う。

 各々が歩んだテニスキャリアも、この地点に至るまでに辿ってきた道も、大きく異なる二人。

 ただ対戦を迎え共有するのは、「自分らしいテニス」貫徹への信念だ。

取材・文●内田暁

【大会情報】
第58回島津全日本室内テニス選手権大会
会場:島津アリーナ京都(京都府立体育館)
女子:国際大会(ITF)賞金総額US$60,000/12月20日~25日
男子:国内大会(JTA)賞金総額6,000,000円/12月14日~18日

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