専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
国内テニス

「ここ数年で一番良いシーズン」を送る加藤未唯、地元京都で初戦突破!【島津全日本室内テニス選手権】<SMASH>

内田暁

2022.12.22

ダブルスのスペシャリスト加藤未唯が地元京都を舞台にシングルスで存在感を放っている。写真:内田暁

ダブルスのスペシャリスト加藤未唯が地元京都を舞台にシングルスで存在感を放っている。写真:内田暁

 実家から通えるこの大会会場を訪れると、身体の内に蘇る何かがあるだろうか?

 当時“全日本室内選手権”だったこの大会を制したのは、19歳の時。「いつも一番気にかけて、応援してくれている」という祖母も見守るなかで、プロキャリアの門出を切った。

 同大会がITF6万ドルの国際大会になった2020年には、久々に戦うシングルスマッチと独特のコートに戸惑い、「6年前の私、ここでどうやって優勝したんだろう?」と、寂しい郷愁を覚えもした。

 その彼女が今大会では、予選2試合、そして本戦初戦もストレート勝利で疾走する。

 スピンの効いたフォアのアングルショットに、ジャンピングスマッシュやドライブボレーなどの躍動感あふれるプレー。

 魅せるシングルス・プレーヤー加藤未唯が、地元京都に帰ってきた。

 この4年ほどダブルスに専念していた加藤が、「やっぱりシングルスが楽しい。もう一回、本格的にシングルスに挑戦したい」と宣言したのは、1か月前。慶應チャレンジャー(ITF2万5000ドル)で予選から勝ち上がり、準優勝した時だった。
 
 躍進の理由は「シングルス用の練習をしたこと」。この戦績で1000位台だったランキングを600位台まで上昇させ、今回の京都ITF6万ドルの予選出場圏内へと飛び込む。

 過去2年はコロナ過で同大会は開催されなかったこと、そして例年は2月末だった開催時期が今年から12月に移ったことを思えば、この年、このタイミングだからこそ叶った、足跡のめぐり合わせでもあった。

 インドアサーフェスはバウンドが低くて球足が速く、一撃必中の強打を持つ選手が有利。本戦初戦で加藤が対戦したのは、まさにそのタイプに分類される大前綾希子だ。

 ただ加藤は、相手の強打を苦にしなかった。

「ダブルスはコート半面の打ち合いになるので、どんどん打ち込んでくる選手も多い。ダブルスで鍛えられた部分もあると思います」

 試合後、加藤はそう分析する。WTAツアーで、体格に勝るパワープレーヤーたちと伍して戦ってきた自信も、言葉の端々に滲んだ。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号