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国内テニス

マクラクラン/綿貫が世界的強豪を下し日本が3連勝!「全員勝利したことが一番うれしい」と添田新監督<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2023.02.05

ワールドグループ残留を決めた日本デ杯チームの選手、スタッフ、そして熱い声援を送ったサポーターたち。写真:スマッシュ編集部

ワールドグループ残留を決めた日本デ杯チームの選手、スタッフ、そして熱い声援を送ったサポーターたち。写真:スマッシュ編集部

 第3セットも日本は粘る。第3ゲームでマクラクランがブレークされるが、第8ゲームでクボットのサービスをブレークバック。それまでリターンに苦しんでいたマクラクランだが「最後の方は相手(クボット)がぜんぜん方向(コース)チェンジしなかったのでアジャストできた」と言うように、彼もフィーリングが合い始めた。日本の2人の好リターンに、クボットは「あらゆるボールが返ってくる感覚だった」と舌を巻くほどだった。

 こうなるとペースはもう日本だ。迎えたタイブレーク、綿貫のパスやマクラクランのボレーでリードを広げ、最後はマクラクランが鮮やかなフォアのポーチを決めて、7-2でケリを付けた。2時間半にわたる熱戦だった。

「僕は去年、スウェーデン戦の2-2でシングルスに負けてしまったり、ウズベキスタン戦のダブルスも負けてしまったり、すごい悔しい思いがあったので、勝ちたい気持ちが強かった」と綿貫。「今日はすごくタフな試合でいっぱい緊張したし、相手も強かった。勝ててすごくうれしい」とマクラクラン。世界屈指の強豪ペアに対する会心の勝利だった。
 
 3連勝で日本の勝利が決まったため、第4試合はエース対決から内田海智(196位)対マクス・カスニコウスキ(383位)にカード変更され、内田の勝利により日本は4勝0敗で全対戦を終えた。初采配となった添田豪監督は「全員が勝利できたことが一番うれしい。特にダブルスで終われたのはチームにとって大きな意味がある」と総括した。

 就任早々の添田監督にとって一番の心配事は、過去のデ杯で1勝7敗と分が悪いマクラクランだった。

「彼は一番デ杯に思い入れがあると感じている。毎回参加したいと言ってくれて、気迫のこもったプレーをして、その中で悔しい負け方をすることが多かった。僕が監督に代わった1回目の試合で勝ってくれたら…」と願っていたという。だからこそ添田監督は「今日の1勝は、一生忘れられない試合になった」とマクラクランの勝利を誰よりも喜んだ。

 招集したメンバー全員が勝ち星を挙げ、最高の船出となった添田ジャパン。心底から選手を思いやるのは、最近まで現役として共に戦ってきた添田監督だからこそかもしれない。9月のワールドグループ1でも、最高のチームを作り上げてくれるに違いない。

【第2日結果】
マッチ3 ○マクラクラン勉/綿貫陽介[4-6 7-5 7-6(2)]L・クボット/J・ジエリンスキ×
マッチ4 ○内田海智[6-2 7-5]マクス・カスニコウスキ×
マッチ5 実施せず

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

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