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海外テニス

ウクライナ選手がサバレンカとの握手拒否で会場からブーイング!「正直驚いたし、恥ずべきこと」<SMASH>

内田暁

2023.05.29

会場からブーイングを受けたコスチュクは、ソーシャルメディアでもひどいメッセージを浴びせられているという。(C)Getty Images

会場からブーイングを受けたコスチュクは、ソーシャルメディアでもひどいメッセージを浴びせられているという。(C)Getty Images

 コスチュクの会見が行なわれたのは、このサバレンカの会見のおおよそ30分後。その席で、サバレンカのコメントを記者から伝え聞いたコスチュクは、怪訝そうな表情を浮かべて言った。

「彼女はこの大会の後、世界1位になるかもしれない。世界で、最も広く知られているスポーツの1位に。

 ロシアの国内では今でも、80%以上の人が戦争を支援している。アメリカを敵視している人もいる。でもそんな人たちの大半は、アメリカに行ったことがない。その国に住んでいる人たちを知らない。

 アリーナ(・サバレンカ)は世界中を旅し、多くの人たちに情報を伝える術も持っている。『NYタイムズ』でも『ワシントンポスト』でも、CNNでもBBCでも…何百万、何千万の人が目にするプラットフォームで発信することができる。なのに彼女は、今現在起きている世界で最も重大な事態について、自分の意見を述べようとしない。だから私は、彼女を“尊敬できない”と言ってきた。“憎んでいる”とは言ったことがない。ただ“尊敬できない”だけ」
 
 ブーイングした観客に関しては、「正直驚いたし、恥ずべきことだと思う」と明言。ただ「それは私が批評すべきことではない」とし、「10年後や、戦争が終わった後にこの映像を見たら、彼らは自分がやったことを申し訳なく思うんじゃないかしら」と語るにとどめた。

 これまで、ソーシャルメディアなどでも「ひどいメッセージを山ほど受け取ってきた」とコスチュクは言う。自身の行為や発言が、賛否両論を巻き起こすのは百も承知。それでも、継続的な意思表明が世界を変えるという信念を、彼女が変えることはない。

現地取材・文●内田暁

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