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【テニスギア講座】意外に需要が多い“幅広タイプ”のシューズ。本当に自分にフィットするモデルの選び方<SMASH>

松尾高司

2023.07.23

同じブランドでもモデルごとに足囲タイプの違いがある。店員さんにどれが自分にフィットするか候補を挙げてもらうといい。写真:松尾高司

同じブランドでもモデルごとに足囲タイプの違いがある。店員さんにどれが自分にフィットするか候補を挙げてもらうといい。写真:松尾高司

 こうして幅広足のプレーヤーは、ごく限られたモデルの中から選ぶしかなくなり、自由な選択はしにくくなってしまうのですが、大型テニス専門店「ウインザーラケットショップ」では、売上トップ10のうち、ワイドモデルが上位6を占める月もあるというのです。

 これはウインザーには数多くのシューズがあり、ワイドタイプを求めて探しにくるお客が多いからでしょう。渋谷店でシューズのオーソリティと呼ばれる笠原将充さんは、興味深いことを教えてくれました。

「最初から『ワイドタイプを』と言ってくるお客さんが多いですが、別売のインナーソールを入れてあげると、横幅が気にならなくなる方が多いです」

 これはアーチが高めのインナーソールを入れることで、アーチがしっかり持ち上げられ、足が横に広がるのを防いでくれるからでしょう。

 また神戸の専門店「テニスプレイス ピア」の畑恭彦オーナーは、「皆さん幅のことばかり気にしますが、重要なのは『足囲(ウィズ)』です。履いて立っただけの感じ方と、実際のプレーでのフィット性は違います。見た目の足幅の広さだけでなく、プレーした時の立体的なフィット性能を考えてほしいですね」と語ります。
 
 さらに「ここ最近のワイドタイプには、つま先側には空間的な余裕があって、カカトはしっかりつかんでくれるものがあり、ワイドタイプも進化してきています」とのこと。

 まず「自分はワイドタイプでなければ痛くて履けないんだ」と思い込まないでください。足の骨は、片足に28個。それがつながって構成されるので、柔軟性があります。しっかりしたインナーソールでアーチを持ち上げるだけで、「あれっ? 痛くない」ということもあります。

 見るからに幅広のシューズは、悩む方に安心感を与えてくれますが、不必要な部分までガバガバだと、プレーする時にはかえって危険です。ですから「自分はワイド」という思い込みを捨て、シューズに詳しい専門店などで相談してみてください。

 その上で、自分の足は2Eなのか、3Eなのか、それとも4Eじゃなきゃダメなのかを知り、適切なウィズサイズのテニスシューズと出会ってください。

文●松尾高司(KAI project)
※『スマッシュ』2021年9月号より抜粋・再編集

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