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海外テニス

【女子テニス国別対抗戦】日本がコロンビアを破りファイナルズ予選進出決定!「ここからが本当の戦い」と杉山愛監督<SMASH>

内田暁

2023.11.12

全試合終了後に行なわれた記者会見で杉山監督は「ここからが本当の戦い」と気を引き締めた(左から、杉山愛監督とダブルスで勝利した柴原瑛菜と青山修子)写真:スマッシュ編集部

全試合終了後に行なわれた記者会見で杉山監督は「ここからが本当の戦い」と気を引き締めた(左から、杉山愛監督とダブルスで勝利した柴原瑛菜と青山修子)写真:スマッシュ編集部

 直前になり対戦相手が変わったものの、コートに立つ本玉のプレーには、焦りも戸惑いも見られなかった。

「情報はほとんど無い相手。サウスポーの特性をいくつか頭に入れ、あとは自分のプレーをするだけ」

 そう割り切った本玉は、実際にプレーの質そのもので相手を上回る。「ラケットを振り抜く」の信念を貫き、次々にスイングボレーを叩き込む攻撃的姿勢は、ベンチにも勢いと熱を与えただろう。

「すっごく緊張したけれど、みなさんの後押しのおかげで、次につなげることができました!」

 快勝後の本玉は、4,000人の観客の拍手と声援を浴びながら、声を弾ませる。

 本玉が、次につないだバトンの先には、日本が誇るダブルスペアがいた。

「真唯がつないでくれました、おめでとう!」

 最後の決戦を控えたロッカールーム——。

 快勝の本玉を称える杉山監督は、チームの命運を握るダブルスの二人を、明るい笑顔と激励の声でコートに送り出した。

「ダブルスはプレッシャーがかかるけれど、みんなで戦っていくので、このプレッシャーも楽しもう!」……と。

 チームメイトとハイタッチを交わしコートに躍り出た柴原は、「ものすごくワクワクしていた!」という。アメリカの大学リーグでもプレーするなど、もとより団体戦の一体感や緊張感が好きな選手。

 身に沁みついたその感覚は、青山にしても同じだ。早稲田大学で“自分以上に大きな何か”を背負う経験を積み、柴原という最良のパートナーを得てグランドスラム決勝の大舞台も踏んだ35歳のベテランは、「緊張した」と言いながらも、その高揚感を力に変える術を知る。第1セットは一進一退の緊迫の攻防のなか、青山が驚異の瞬発力でボレーを決め、柴原が豪快なスイングボレーを叩き込んで第1セットを奪った。
 
 第2セットでは、第6ゲームをまたも柴原のスイングボレーでブレークすると、もう勢いは止まらない。試合序盤では、オソリオの球威に押される場面もあったが、試合が進むにつれ以心伝心のコンビネーションでそれも巧みに封じてみせる。最後は、相手のストロークがベースラインを割り、青山/柴原組の勝利が……すなわち、日本の勝利が確定した。

 試合後に、コート上で日本チームが歓喜に沸くのは当然の光景だが、同時にその勝利を称え、日本ベンチに足を運び互いのフェアプレーを尊ぶコロンビアチームの姿もあった。

 杉山とズルアガの両監督は、現役時代に2度の対戦もある、いわば同じ時代に同じ舞台を共有した盟友。国を率いる者同士の真剣勝負ではあるが、両監督の対峙には、どこか旧交を温めるかのような親密さがあった。

「杉山愛監督におめでとうと言いたい。そしてぜひ、ワールドグループに勝ち上がって欲しい」

 全試合を終えた会見で、ズルアガ監督は日本にエールを送った。

 その想いを受けてか、杉山監督も言う。

「やっとスタート地点に立てた。まずはここが目標ではありましたけれど、ここからが本当に本当の戦い。やはり目指すは、世界の頂点なので」……と。
 
 今回の勝利により、日本は来年4月に行なわれる世界トップが戦うファイナルズの予選への切符を獲得。世界の頂点への挑戦が、いよいよ本格的に幕を開ける。

取材・文●内田暁

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