そしてジョコビッチがシナーに敗れた時点で、今大会は「2005年以来の、ビッグ3がいない全豪オープン決勝戦」という歴史の転換期に。ちなみに2005年の全豪決勝は、マラット・サフィン(ロシア)とレイトン・ヒューイット(オーストラリア)の間で競われ、制したのはサフィン。サフィンは準決勝で、大会第1シードのフェデラーを破っての決勝進出だった。なお当時のサフィンは第4シード。ヒューイットは、第3シードである。
それから19年後、歴史は繰り返す。ジョコビッチに勝利したシナーは第4シード。そして決勝で対戦するのは、第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア/世界3位)。2セットダウンから逆転した準決勝のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同6位)戦も含め、6試合で3度のフルセットの死闘を制した“マラソン・マン”だ。
両選手が決勝に勝ち上がるまでに要した総試合時間は、シナーの14時間44分に対し、メドベージェフは20時間33分。過去の対戦成績は6勝3敗でメドベージェフがリードするが、直近ではシナーが3連勝中である。
シナーが勝てば、2008年のジョコビッチ以来の年少チャンピオンであり、イタリア人男性としては史上3人目のグランドスラムタイトルホルダーにして、初の全豪オープン優勝者となる。
一方メドベージェフが勝てば、2021年全米オープンに次ぐ2度目のメジャータイトル。現役選手としては6人目の、“複数のグランドスラムタイトルホルダー”の座を狙う。
種々の“初”が生まれる、フレッシュな顔合わせが実現した決勝戦。ただ昨年から今季のここまでのツアー戦績に限れば、メドベージェフは72勝18敗で最も多くの勝ち星を手にした選手であり、シナーが70勝15敗で2位につける。
時代の節目に、ツアーを牽引する2人の頂上決戦が実現したのは、いわば歴史の必然だ。
現地取材・文●内田暁
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両選手が決勝に勝ち上がるまでに要した総試合時間は、シナーの14時間44分に対し、メドベージェフは20時間33分。過去の対戦成績は6勝3敗でメドベージェフがリードするが、直近ではシナーが3連勝中である。
シナーが勝てば、2008年のジョコビッチ以来の年少チャンピオンであり、イタリア人男性としては史上3人目のグランドスラムタイトルホルダーにして、初の全豪オープン優勝者となる。
一方メドベージェフが勝てば、2021年全米オープンに次ぐ2度目のメジャータイトル。現役選手としては6人目の、“複数のグランドスラムタイトルホルダー”の座を狙う。
種々の“初”が生まれる、フレッシュな顔合わせが実現した決勝戦。ただ昨年から今季のここまでのツアー戦績に限れば、メドベージェフは72勝18敗で最も多くの勝ち星を手にした選手であり、シナーが70勝15敗で2位につける。
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