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国内テニス

日本女子テニス界期待の17歳、齋藤咲良がプロ転向!「プレッシャーはない、どんどんテニスを盛り上げていきたい」<SMASH>

内田暁

2024.05.17

今年4月のBJK杯(写真)でサポートメンバーに加わったことで齋藤は多くの学びを得たという(2列目の右端が齋藤)。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

今年4月のBJK杯(写真)でサポートメンバーに加わったことで齋藤は多くの学びを得たという(2列目の右端が齋藤)。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 全体としては、「悔しい」戦績に終わった日本での5大会。だが、岐阜のカンガルーカップで勝利した2試合では、納得のプレーができたと頷く。良きヒントとなったのは、ビリー・ジーン・キング・カップ(女子国別対抗戦)の日本代表サポートメンバーとして、高質・高レベルのプレーを間近で見たことだ。

「大坂なおみさんは打つイメージあるんですが、ラリーの時は体勢が低くて、しっかりつないでいる。決めにいく時とラリーの時のメリハリがすごくあったので、そこはお手本にしたいと思いました。

 日比野菜緒さんは、前に出ていくのが凄くうまくて。相手の体勢を見ながら判断し、ネットに出たらほとんど決めていた。相手がしっかり構えている時はフェイントを入れたりして、ゲームの作り方が凄くうまいんだなと思いました」

 先達たちのプレーに強さの訳を見い出し、その一挙手一投足を目に焼き付けながら、いつか同じステージに立つその日を、彼女は思い描いたのかもしれない。

 齋藤を筆頭に、現在17歳~18歳の世代には、日本テニスの未来を担うと目される若手が、キラ星のごとく名を連ねる。昨年9月の全米オープンジュニアでは、直前に棄権したクロスリー真優も含め、齋藤、小池愛菜、そして石井さやかの4人がシングルス・トップ8シードを占めた。
 
 一方で“おとな”のランキングに目を向けると、単トップ100にいるのは、29歳の日比野菜緒ひとり。22歳の内島萌夏の急成長や、産休から復帰した大坂の好調など明るいニュースはあるものの、その灯を受け継ぐ次世代の台頭が望まれる機運があった。

 それだけに、齋藤たちに向けられる関係者の視線は、熱を帯びる。それら周囲の期待を、当人は重圧に感じているだろうか――?

 その問いを率直に向けると、彼女はいつものようにこちらの目をしっかり見返し、こう言った。

「フレンチの予選には出たかったけれど、それは周りがどうとかではなく、単純に自分が出たかったから。周りからのプレッシャーは特に感じないです。(小池)愛菜ちゃんや、(石井)さやかちゃんもいるので……みんなとは仲は良いですが、ライバルというか、お互い高め合える関係。1人で行くより、みんなで競い合いながら上に行けた方が、自分としてはうれしいです」

「みんなのことは12歳の頃から知っているし、そういう小さい頃から競ってきた人たちと一緒にトップ100に入れたら、結構すごいことだなと思うんですよ」

 だから……と自身の言葉を受け、彼女は明るい声で言った。

「みんなで強くなれたら、テニス界も盛り上がるかと思います。理想は高いけど、メリットだらけかなって!」

取材・文●内田暁

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