心身両面での酸いも甘いも経験し、重ねた試行錯誤が音を立てて噛み合ったのが、今年の4月だという。スペイン開催のITF W100初戦で、第1シードのアランチャ・ルス(オランダ)から逆転勝利をもぎ取った時だった。
「勝つための方法を自分で考えて見つける」ことができた時、彼女の視界は大きく開ける。奇しくもというべきか、ルスは1年前の全仏予選決勝で、内島が悔しい負けを喫した相手でもあった。
6年前の16歳の日、奈良に敗れて届かなかった岐阜・カンガルーカップのトロフィーを、内島は6年ぶりの参戦でつかみ取った。「狙って取りに行った」この優勝は、「ノープレッシャー」で手にしたスペインでの優勝とは、また異なる力を彼女に与えただろう。
そして、信じがたい快進撃が始まる。岐阜で優勝したその夜に、飛行機に飛び乗り向かったスロバキアで優勝。そこから休む間もなくマドリードに移動し、またもトロフィーを抱いた。その日の夕方には電車に乗り、パリ入りしたのは予選開幕の前日。そして今回の予選でも、3日連戦し3連勝。日本と欧州を横断しながら、24日間で連ねた白星は18に及ぶ。
「全身にテーピングしたいくらい、疲労と痛みはあります」
予選決勝後に内島は、さすがに苦笑いをこぼす。それでも「ケガなく戦えている」ことに安堵し、周囲のサポートに感謝した。
今年の岐阜で内島の優勝を見届けた奈良は、「以前は、試合中に『どうした? もゆか(萌夏)、お昼寝しちゃったか?』と思うこともあったけれど、最近はその時間が短くなった」と、愛らしい表現で内島の成長を評していた。
それから3週間が経ち、当時130位だったランキングは、80位に。
「何か一つきっかけをつかめば、トップ50、トップ30に行く力は備わっている」と奈良が言っていたその時、「きっかけ」は既に、内島の手の中にあった。
現地取材・文●内田暁
【画像】内島萌夏が日本代表として戦った2022年のBJK杯
【関連記事】日本期待の望月慎太郎、内島萌夏、齋藤咲良が全仏予選2回戦を突破!本戦進出まであと1つに迫る
【関連記事】全仏予選2日目、日本勢は内島萌夏が会心のストレート勝利!内山靖崇と本玉真唯は熱戦を制し2回戦へ
「勝つための方法を自分で考えて見つける」ことができた時、彼女の視界は大きく開ける。奇しくもというべきか、ルスは1年前の全仏予選決勝で、内島が悔しい負けを喫した相手でもあった。
6年前の16歳の日、奈良に敗れて届かなかった岐阜・カンガルーカップのトロフィーを、内島は6年ぶりの参戦でつかみ取った。「狙って取りに行った」この優勝は、「ノープレッシャー」で手にしたスペインでの優勝とは、また異なる力を彼女に与えただろう。
そして、信じがたい快進撃が始まる。岐阜で優勝したその夜に、飛行機に飛び乗り向かったスロバキアで優勝。そこから休む間もなくマドリードに移動し、またもトロフィーを抱いた。その日の夕方には電車に乗り、パリ入りしたのは予選開幕の前日。そして今回の予選でも、3日連戦し3連勝。日本と欧州を横断しながら、24日間で連ねた白星は18に及ぶ。
「全身にテーピングしたいくらい、疲労と痛みはあります」
予選決勝後に内島は、さすがに苦笑いをこぼす。それでも「ケガなく戦えている」ことに安堵し、周囲のサポートに感謝した。
今年の岐阜で内島の優勝を見届けた奈良は、「以前は、試合中に『どうした? もゆか(萌夏)、お昼寝しちゃったか?』と思うこともあったけれど、最近はその時間が短くなった」と、愛らしい表現で内島の成長を評していた。
それから3週間が経ち、当時130位だったランキングは、80位に。
「何か一つきっかけをつかめば、トップ50、トップ30に行く力は備わっている」と奈良が言っていたその時、「きっかけ」は既に、内島の手の中にあった。
現地取材・文●内田暁
【画像】内島萌夏が日本代表として戦った2022年のBJK杯
【関連記事】日本期待の望月慎太郎、内島萌夏、齋藤咲良が全仏予選2回戦を突破!本戦進出まであと1つに迫る
【関連記事】全仏予選2日目、日本勢は内島萌夏が会心のストレート勝利!内山靖崇と本玉真唯は熱戦を制し2回戦へ