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海外テニス

「三度目の正直です」内島萌夏が全仏オープン予選突破!マッチ18連勝と絶好調の22歳が悲願の大舞台へ<SMASH>

内田暁

2024.05.26

今年4月に宿敵を破った内島はこれを機に猛ダッシュでパリにたどり着き全仏オープンの扉を押し開けた。(C)Getty Images

今年4月に宿敵を破った内島はこれを機に猛ダッシュでパリにたどり着き全仏オープンの扉を押し開けた。(C)Getty Images

 心身両面での酸いも甘いも経験し、重ねた試行錯誤が音を立てて噛み合ったのが、今年の4月だという。スペイン開催のITF W100初戦で、第1シードのアランチャ・ルス(オランダ)から逆転勝利をもぎ取った時だった。

「勝つための方法を自分で考えて見つける」ことができた時、彼女の視界は大きく開ける。奇しくもというべきか、ルスは1年前の全仏予選決勝で、内島が悔しい負けを喫した相手でもあった。

 6年前の16歳の日、奈良に敗れて届かなかった岐阜・カンガルーカップのトロフィーを、内島は6年ぶりの参戦でつかみ取った。「狙って取りに行った」この優勝は、「ノープレッシャー」で手にしたスペインでの優勝とは、また異なる力を彼女に与えただろう。

 そして、信じがたい快進撃が始まる。岐阜で優勝したその夜に、飛行機に飛び乗り向かったスロバキアで優勝。そこから休む間もなくマドリードに移動し、またもトロフィーを抱いた。その日の夕方には電車に乗り、パリ入りしたのは予選開幕の前日。そして今回の予選でも、3日連戦し3連勝。日本と欧州を横断しながら、24日間で連ねた白星は18に及ぶ。
 
「全身にテーピングしたいくらい、疲労と痛みはあります」

 予選決勝後に内島は、さすがに苦笑いをこぼす。それでも「ケガなく戦えている」ことに安堵し、周囲のサポートに感謝した。

 今年の岐阜で内島の優勝を見届けた奈良は、「以前は、試合中に『どうした? もゆか(萌夏)、お昼寝しちゃったか?』と思うこともあったけれど、最近はその時間が短くなった」と、愛らしい表現で内島の成長を評していた。

 それから3週間が経ち、当時130位だったランキングは、80位に。

「何か一つきっかけをつかめば、トップ50、トップ30に行く力は備わっている」と奈良が言っていたその時、「きっかけ」は既に、内島の手の中にあった。

現地取材・文●内田暁

【画像】内島萌夏が日本代表として戦った2022年のBJK杯

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