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【テニスギア講座】ラケットのグリップ、その奥深き世界――わざわざ天然レザーに巻き替える人がいるのはなぜ?<SMASH>

松尾高司

2024.05.26

「ウインザーラケットショップ」には、グリップテープが数多く陳列される中に「巻き換え用天然レザー」が各種並ぶ。巻き替え依頼は思いのほか多いという。写真:松尾高司

「ウインザーラケットショップ」には、グリップテープが数多く陳列される中に「巻き換え用天然レザー」が各種並ぶ。巻き替え依頼は思いのほか多いという。写真:松尾高司

 ひと口に「天然」といっても、それぞれに個性があり、皮革自体の差や、部位、厚さなど、かなり違いがあります。しっとり感が強いもの、硬めでカチッとした感じのものなど、様々あって「どれでも同じ」ではないことを知っておきましょう。

 また、天然レザーグリップがシンセティックグリップと違うことの1つは「重さ」です。シンセティックは人工製品なので、素材もほぼ均一に仕上げることができますが、天然レザーは仕上がりにかなりの差があります。

 人気の『PK WEST』のレザーは、だいたい26グラム平均で±5グラムの幅があります。この誤差幅が大切で、重いか軽いかによって、ラケットのバランスが大きく変わってしまうこともあります。ショップによって「重量バリエーションを揃えたい」「ほぼ同じ重さの個体を入荷したい」と、考え方は各社各様だそうです。
 
 テニス専門店を覗くと、ものすごい数のグリップテープが並ぶ端に天然レザーグリップが数種並んでいます。初めて天然レザーを選ぶ時は、ショップのスタッフに尋ねて、自分が求めているのはどれかをよく確認しましょう。グリップテープのように安価ではなく、簡単に巻き替えられないため、慎重すぎるくらいでいいと思います。

 さて、巻き替え作業は、レザーを買って帰り、自分でやってみるのも一興ですが、素人には結構ハードルが高いですよ。特にグリップエンドからの「巻き始め」は、プロでも熟練していないと失敗してしまう難しさがあり、初めてでうまくいくとは考えにくいです。

 失敗して何度も巻き直していると、最後は手に負えない状態になってしまうので、作業工賃はかかるものの、プロに依頼することを勧めます。

文●松尾高司(KAI project)
※『スマッシュ』2022年10月号より抜粋・再編集

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