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海外テニス

キャリア終盤でラケット変えた元王者マリーの飽くなきチャレンジ精神!「最後にもう一度、センターコートでプレーしたいんだ」<SMASH>

内田暁

2024.07.02

マリー自身がショップに足を運ぶなかで見つけ出した相棒が現在使用しているヨネックスの『Eゾーン100』だった。(C)Getty Images

マリー自身がショップに足を運ぶなかで見つけ出した相棒が現在使用しているヨネックスの『Eゾーン100』だった。(C)Getty Images

 ラケット選びのプロセスでマリーは、あらゆるメーカーのラケットをショップで購入し、「可能な限り、ホークアイを使ってテストした」という。結果、「この先の自分のキャリアにとって助けになる」と感じたがゆえに選びとったのが、ヨネックスの『Eゾーン100』だった。

 では『Eゾーン100』とは、どのような特性を持つラケットなのか? 前述のヨネックス担当者が解説する。

「Eゾーンはヨネックスのラケットの中でも、最もパワーを追求したシリーズです。フレームが厚くてたわみやすく、シャフトはしなってから素早く復元するので、ボールのスピードとパワーを向上させます。特にマリー選手が選んだのは、100平方インチとEゾーンの中でもラケット面の大きな方。より小さな力で、ボールを飛ばせるラケットだと言えると思います」

 そのような特性は、「身体への負担の軽減」という効能も期待できる。
 
「マリー選手も年齢を重ねる中で、体力面や身体への負担も考慮し、Eゾーン100を選んでくれたのかなと思います」と、担当者はマリーの胸中を推察した。

 人工股関節手術に代表される多くのケガを克服してきたマリーは、現在、新たな試練の最中に居る。前哨戦のクイーンズクラブ選手権初戦でフルセットの死闘を制したマリーだが、2回戦は背中の痛みにより途中棄権。大会後に、痛みの原因であった背骨の嚢胞の除去手術を受け、切望していたウインブルドンもシングルスを直前に棄権した。

 それでも、「最後にもう一度、センターコートでプレーしたいんだ」と幾分感傷的に語っていたマリーは、ダブルス出場に希望を残している。満身創痍の英雄は、新たな相棒を携え、最後の花道を歩んでいく。

現地取材・文●内田暁

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