今週行なわれている男子テニスツアー「シンチ選手権」(6月17日~23日/イギリス・ロンドン)は現地20日にシングルス2回戦を実施。本戦ワイルドカード(主催者推薦)で出場した元世界ランク1位のアンディ・マリー(イギリス/現129位)はジョーダン・トンプソン(オーストラリア/同43位)と対戦したが、第1セット途中で背中の負傷により棄権を申し入れ、ベスト8進出を逃すこととなった。
先の全仏オープンで初戦敗退したマリーは、先週の「ボス・オープン」(6月10日~16日/ドイツ・シュツットガルト/ATP250)で芝シーズンをスタート。しかし1回戦でマルコス・ギロン(アメリカ/53位)に3-6、4-6で敗れた。
そして迎えた今大会は、ATPツアーで節目の通算1000試合目となったアレクセイ・ポピリン(オーストラリア/48位)との1回戦を6-3、3-6、6-3で勝利。そのまま勢いに乗りたいマリーだったが、2回戦では臀部のケガと闘いながら奮闘してきた鉄人を再び悲劇が襲った。
第1ゲームでいきなりブレークを許したマリーは、第3ゲームをキープした直後にメディカルタイムアウトを要求。背中の応急処置を経てプレーを続行するも動きのキレは戻らず、第5ゲームで2度目のサービスダウンを喫したところで途中リタイアを表明。会場のファンに手を振りながらコートを後にした。
棄権直後の会見でマリーはシンチ選手権の開幕前から「背中の痛みがあった」と告白した上で、「明らかにいい状態ではなかったね」とコメント。続けて試合内容を振り返りながらケガの詳細をこう説明した。
「右足の力が入らなくなり、バランスが悪くなって動けなかった。昨日の試合でもかなり痛かったし、今日も痛かった。昨日は何とかなったけどね」
「今日の試合前のウォーミングアップもかなり気分が悪かった。コートに入る直前に階段を上った時も右足に力が出なくて、いつもとは違う感じだった。何人が見ていたかはわからないが、ウォーミングアップの最初の2球も、右足が全く連動していなかったし、うまく動いてなかった」
そして今回のケガはかなり深刻だという。「何が問題なのかは正確にはわからない」と前置きしつつ、「今日も昨日も、そしてこの10~11年間のキャリアでも背中の痛みを抱えてきたけど、こんな感覚は初めてだ。だから、どんな治療をすればいいのか、何を期待すればいいのか、本当にわからない」と不安を口にした。
今夏での現役引退を示唆しているマリー。現状では母国で開催される今季3つ目の四大大会「ウインブルドン」(7月1日~14日/イギリス・ロンドン/芝)かパリ五輪(7月27日~8月4日/フランス・パリ/クレーコート)が彼の最後の大会となる可能性が高いが、いずれにせよケガが良くならなければコートでファンに別れを告げるのは難しい。とにかく1日も早い回復を願うばかりだ。
文●中村光佑
【動画】シンチ選手権2回戦、背中の治療を受けたマリーが棄権を選択し、コートを去る様子
【連続写真】A・マリーの横に切れていく純粋なスライスサービス『30コマの超分解写真』
【関連記事】ウインブルドンが去り行くマリーのために“花道”を用意。ただし現役続行ならば「彼の決定に従う」と計画修正も<SMASH>
先の全仏オープンで初戦敗退したマリーは、先週の「ボス・オープン」(6月10日~16日/ドイツ・シュツットガルト/ATP250)で芝シーズンをスタート。しかし1回戦でマルコス・ギロン(アメリカ/53位)に3-6、4-6で敗れた。
そして迎えた今大会は、ATPツアーで節目の通算1000試合目となったアレクセイ・ポピリン(オーストラリア/48位)との1回戦を6-3、3-6、6-3で勝利。そのまま勢いに乗りたいマリーだったが、2回戦では臀部のケガと闘いながら奮闘してきた鉄人を再び悲劇が襲った。
第1ゲームでいきなりブレークを許したマリーは、第3ゲームをキープした直後にメディカルタイムアウトを要求。背中の応急処置を経てプレーを続行するも動きのキレは戻らず、第5ゲームで2度目のサービスダウンを喫したところで途中リタイアを表明。会場のファンに手を振りながらコートを後にした。
棄権直後の会見でマリーはシンチ選手権の開幕前から「背中の痛みがあった」と告白した上で、「明らかにいい状態ではなかったね」とコメント。続けて試合内容を振り返りながらケガの詳細をこう説明した。
「右足の力が入らなくなり、バランスが悪くなって動けなかった。昨日の試合でもかなり痛かったし、今日も痛かった。昨日は何とかなったけどね」
「今日の試合前のウォーミングアップもかなり気分が悪かった。コートに入る直前に階段を上った時も右足に力が出なくて、いつもとは違う感じだった。何人が見ていたかはわからないが、ウォーミングアップの最初の2球も、右足が全く連動していなかったし、うまく動いてなかった」
そして今回のケガはかなり深刻だという。「何が問題なのかは正確にはわからない」と前置きしつつ、「今日も昨日も、そしてこの10~11年間のキャリアでも背中の痛みを抱えてきたけど、こんな感覚は初めてだ。だから、どんな治療をすればいいのか、何を期待すればいいのか、本当にわからない」と不安を口にした。
今夏での現役引退を示唆しているマリー。現状では母国で開催される今季3つ目の四大大会「ウインブルドン」(7月1日~14日/イギリス・ロンドン/芝)かパリ五輪(7月27日~8月4日/フランス・パリ/クレーコート)が彼の最後の大会となる可能性が高いが、いずれにせよケガが良くならなければコートでファンに別れを告げるのは難しい。とにかく1日も早い回復を願うばかりだ。
文●中村光佑
【動画】シンチ選手権2回戦、背中の治療を受けたマリーが棄権を選択し、コートを去る様子
【連続写真】A・マリーの横に切れていく純粋なスライスサービス『30コマの超分解写真』
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