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国内テニス

2024年の最初と最後を飾った男子テニス界の若き才能、坂本怜!「大きなテニスを作っていきたい」とさらなる成長を誓う<SMASH>

内田暁

2024.12.12

12月9日には都内でヨネックス総合契約締結発表(写真)を行なった坂本。新シーズンはラケットからウェアやシューズまで全身が同社の製品で統一される。写真:内田暁

12月9日には都内でヨネックス総合契約締結発表(写真)を行なった坂本。新シーズンはラケットからウェアやシューズまで全身が同社の製品で統一される。写真:内田暁

「あそこで1試合勝ち、2試合勝った時に、『あれ、いけんじゃないか?』って思ってちょっと自信がついて、そこから本当に腹の底から自分を信じることができた」
 
 さらに結果的に敗れはしたが、慶應チャレンジャー3回戦の清水悠太戦で、第2セットの1-5と追い詰められたところから逆転で第2セットを取った事実は、「アップダウンが激しく、ダウンしたら戻ってこられない」という課題を克服できたという点でも、大きな意味を持ったという。

 なおこの試合中、敗戦間際に追い込まれた坂本の頭をよぎったのは、最近読んだ松下幸之助の著書『道はひらく』内の、「『仕事とは、世間に求められて初めて成立する』というような一説」だったという。この書籍は、デビスカップ強化プロジェクトコーチの綿貫敬介と、同トレーナーの石榑結太から送られたもの。そのような周囲の人々のサポートに、坂本は「自分は“持っている”」と感謝した。
 
「何をするにしても、周りの人に恵まれている。スポンサーさんも含め、すごく手厚いサポートで周りの環境を整えてくれる人がたくさんいて、本当に1つ欠けてたら、今の自分はないなってことが多い」

 その上でここからは、自分自身でその環境を整えていく必要性を噛みしめる。

「今まで盛田ファンドで作ってもらっていたものを、自分で作り、自分の決断でやっていかないとすぐ終わりだなと。自分に良い影響を与えてくれる人たちで、周りを固めることが今、一番必要なことかなと思います」

 思えば今年の日本男子テニス界のニュースは、この人に始まり、この人で終わったと言えるかもしれない。

 ただ当の坂本は、「まだ何も始まってない」と言う。

「焦らず、大きな器を、大きなテニスを作っていきたい」

 目指すは「グランドスラム優勝と、世界1位」。その壮大な夢への旅が、いよいよ始まる。

取材・文●内田暁

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