現地10月27日に開幕した男子テニスツアー公式戦「ロレックス・パリ・マスターズ」(フランス・パリ/室内ハードコート/ATP1000)。この大会は昨年までパリ12区の「アコー・アリーナ」で行なわれていたが、今年から同市西部近郊ナンテールに所在する最大4万5000人収容の大規模屋内スタジアム「ラ・デファンス・アリーナ」に開催地を移転。ただ現状、新会場のコートには一部選手から辛辣な評価が寄せられている。
海外メディア『Tennis Majors』によると、現地27日の1回戦でアレクセイ・ポピリン(オーストラリア/現世界ランキング47位)に勝利したアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン/同16位)は、以前のアコー・アリーナのサブコートが「アイススケートリンクみたいな感じでとてつもなく速かった」と振り返りつつ、新コートの球足についてこう言い放った。
「これまで経験した中で最も遅いインドアコートだ。それは間違いない」
また現地28日に実施された2回戦でキャメロン・ノーリー(イギリス/元8位/現31位)にまさかの敗戦を喫した世界1位のカルロス・アルカラス(スペイン)も、試合中に陣営席のホアン・カルロス・フェレーロ(スペイン)コーチに対して、コートの球足の遅さに対する苛立ちをあらわにしたとスペインメディア『Punto de break』が報じている。
「ボールの感触が全く伝わってこない。ゼロだよ。ここでプレーするのは無理だ。まるでクレーコートでプレーしているみたいで、モンテカルロ(モナコ/クレー/ATP1000)よりひどい。サービスだけが救いだ」
しかしこうした批判に対してもトーナメントディレクターのセドリック・ピオリーン氏は反論せず、「意図的に球足を遅くした」と事実を認める。ATP(男子プロテニス協会)からのフィードバックで「昨年のパリは球足が速すぎた」との評価が寄せられたため、それに対応する形で変更を加えたと説明。その上でこう続けた。
「選手たちも球足が遅くなったことに気付き、概ね満足している様子だ。そもそも全選手が同じ意見を持つわけではないし、全員を満足させるのも難しい。その中でできる限り多くの選手が納得できるようにコートを調整した。それで適切な球足になったかどうかは、今後評価していきたい」
さらにピオリーン氏は、コートコンディションは大会期間中に変化するとも指摘。「当コートは樹脂製で、試合が進むにつれて次第に滑りやすくなる。大会開始時とその後での違いは明らかだ」と締めくくった。
新コートの球足は、今大会期間中の注目すべき話題となりそうだ。アルカラスやブブリク以外の選手の意見もぜひ聞いてみたいものである。
文●中村光佑
【動画】ブブリク、アルカラスらがプレーした「パリ・マスターズ」第1&第2日ハイライト
【関連記事】「特定の選手に有利な大会を作ることはない」選手からの指摘が続く球足の低速化にトーナメントディレクターが反論<SMASH>
【関連記事】ツアーで進む球足の低速化に選手らが意見。ズベレフは「多様性を取り戻す必要がある」、シナーは「適応してベストを尽くだけ」<SMASH>
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「これまで経験した中で最も遅いインドアコートだ。それは間違いない」
また現地28日に実施された2回戦でキャメロン・ノーリー(イギリス/元8位/現31位)にまさかの敗戦を喫した世界1位のカルロス・アルカラス(スペイン)も、試合中に陣営席のホアン・カルロス・フェレーロ(スペイン)コーチに対して、コートの球足の遅さに対する苛立ちをあらわにしたとスペインメディア『Punto de break』が報じている。
「ボールの感触が全く伝わってこない。ゼロだよ。ここでプレーするのは無理だ。まるでクレーコートでプレーしているみたいで、モンテカルロ(モナコ/クレー/ATP1000)よりひどい。サービスだけが救いだ」
しかしこうした批判に対してもトーナメントディレクターのセドリック・ピオリーン氏は反論せず、「意図的に球足を遅くした」と事実を認める。ATP(男子プロテニス協会)からのフィードバックで「昨年のパリは球足が速すぎた」との評価が寄せられたため、それに対応する形で変更を加えたと説明。その上でこう続けた。
「選手たちも球足が遅くなったことに気付き、概ね満足している様子だ。そもそも全選手が同じ意見を持つわけではないし、全員を満足させるのも難しい。その中でできる限り多くの選手が納得できるようにコートを調整した。それで適切な球足になったかどうかは、今後評価していきたい」
さらにピオリーン氏は、コートコンディションは大会期間中に変化するとも指摘。「当コートは樹脂製で、試合が進むにつれて次第に滑りやすくなる。大会開始時とその後での違いは明らかだ」と締めくくった。
新コートの球足は、今大会期間中の注目すべき話題となりそうだ。アルカラスやブブリク以外の選手の意見もぜひ聞いてみたいものである。
文●中村光佑
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