シーズン終盤のパリで、男子テニス世界ランク元10位のデニス・シャポバロフ（カナダ／現24位）が穏やかな笑顔を見せている。「パリ・マスターズ」の大会中にATP公式サイトのインタビューに応じた26歳は、９月に結婚した妻ミリヤム・ビョークランド（スウェーデン／元世界ランキング123位）との新たな生活、そしてそこから得た心の安定を語った。

「犬を飼うことの方が結婚式より大きな変化だったかもしれないね。お互い、夫婦という関係にまだ少し慣れていないけど、それ以外は以前とあまり変わっていない。ただ、愛犬（ヤッツィー）が家族に加わったのは本当にクールなことだよ」

　２人は９月９日、ギリシャ・ザキントス島にあるリゾート「レサンテ・ケープ」で式を挙げた。イオニア海を望む絶景に囲まれ、家族と親しい友人だけを招いたアットホームな式だった。シャポバロフは「こんなに素晴らしい場所で親友でもある人と結婚できたことにとても興奮しています」と喜びを語っていた。

　ツアー生活の浮き沈みを共に経験してきた２人。左ヒザの故障で約半年間ツアーを離脱した2023年、復調できるか不安を抱えるシャポバロフを支えたのが、同じプロ選手のビョークランドだった。そうした時間が、２人の関係をより確かなものにした。
  「彼女は、今僕ができていることの大きな理由の１つだ。長い間そばにいて、良い時も悪い時も見てきてくれた。特にケガをしていた時期は僕にとって本当に厳しかった。復帰してからも『以前のレベルに戻れないかもしれない』と何度もこぼしていたけれど、彼女はいつも冷静でいさせてくれた。『一瞬一瞬を大事にすればいい』と励ましてくれたし、僕が今のレベルに戻れると信じていた。だから彼女には本当に感謝しているよ」

　彼女の支えは、確実に結果へとつながっている。今季のシャポバロフは、２月の「ダラス・オープン」（アメリカ・ダラス）と７月の「ミフェル・オープン」（メキシコ・ロスカボス）でタイトルを獲得し、再びランキングをトップ25に戻した。さらに今月に入ると「ノルディック・オープン」（スウェーデン・ストックホルム）で準決勝、「スイス室内」（スイス・バーゼル）では準々決勝に進出するなど、強さを見せている。

　残念ながら今回のパリ・マスターズは１回戦で期待の新鋭ジョアオ・フォンセカ（ブラジル／28位）にフルセットで敗れたが、新たな安定を得た26歳は、確実にかつての輝きを取り戻そうとしている。

構成●スマッシュ編集部

【画像】シャポバロフとビョークランドの結婚式の模様。愛犬の写真も！

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