アジアシリーズで2025年シーズンを早期終了した女子テニスのエマ・ラドゥカヌ（イギリス／世界ランキング29位）が、12月に予定されていたアメリカでのエキジビション２試合を欠場することになった。主催者によれば、予定されていたアマンダ・アニシモワ（アメリカ／同４位）とのニュアーク、マイアミでの連戦には、ジェシカ・ペグラ（アメリカ／同６位）が代わりに出場する。

　ラドゥカヌの欠場理由は右足の軽傷。英国のPA通信によれば、「右足の骨の軽度の打撲と診断された」という。ただ大事には至っておらず、トレーニングは継続可能で、ラドゥカヌは来季に向けてコンディションを万全に整えることを最優先し、出場を見送る判断を下した。

　中国から帰国後は、ロンドンのナショナルテニスセンターで調整を続けてきたラドゥカヌだが、エキジビションをスキップしたことで、今後はバルセロナでのプレシーズンキャンプに専念できそうだ。コーチは８月から組むフランシスコ・ロイグ氏（スペイン）が続投。ナダルを長年指導した名伯楽の下で、さらなる強化を目指す。また、理学療法士のエマ・スチュワート氏を新たに迎え、ストレングス＆コンディショニングの体制も整えた。
  　早期に終了したとは言え、今シーズンのラドゥカヌは確かな前進を示した。３月の「マイアミ・オープン」で準々決勝に進出し、７月の「ムバダラシティ・オープン」ではベスト４入り。自己最多となる年間マッチ28勝を挙げ、年初60位だったランキングもトップ30へ引き上げた。一方で、シーズン終盤のアジア遠征では「韓国オープン」、「中国オープン」、「武漢オープン」、「寧波オープン」の４大会でわずか２勝にとどまり、疲労の色が濃く残ったが......。

　ラドゥカヌの新シーズンは、ジャック・ドレイパー（イギリス／男子10位）と共に出場する男女混合団体戦「ユナイテッド・カップ」から始まる。同組には大坂なおみを擁する日本も入り、注目の対戦が予想される。また、最初の四大大会「全豪オープン」ではシード入りが確実で、完全復活へ道は整いつつある。

　その道は決して平坦ではなかった。しかし、体調管理を優先しつつランキングを戻してきた今季の歩みは、再びトップ争いに戻る可能性を十分に感じさせる。2021年全米覇者の23歳が、来季開幕にどんな姿を見せるのか、期待は高まる。

構成●スマッシュ編集部

【30コマの超連続写真】テイクバックが身体の前面に収まっているラドゥカヌのフォアハンド

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