先日の男子テニスシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ/室内ハードコート/FIN)決勝でライバルのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランキング1位)に7-6(4)、7-5で勝利し、殊勲の同大会連覇でシーズンを華々しく締めくくった24歳のヤニック・シナー(イタリア/同2位)。試合後に彼のコーチであるダレン・ケーヒル氏とシモーネ・バグノッツィ氏はATP(男子プロテニス協会)公式サイトを通じ、チームで懸命に取り組んできた“サービスの改善”が素晴らしい結果につながったと語っている。
今大会のシナーはファーストサービスのポイント獲得率が特に高かった。5戦合計の平均は驚異の82%。9月の全米オープン決勝でアルカラスに敗れてからフォームや打つ時のリズムをはじめ「サービスで多くの変化を加えた」ことが奏功したと、バグノッツィ氏は手応えを語る。
全米後に浮き彫りになったサービスの課題を克服し、「上海マスターズ(ATP1000)からここまで、ヤニックは本当にいいサービスを打てていた」と同氏。ファイナルズ決勝に関しては「第2セットはセカンドサービスの球速が落ちて流れが悪くなりかけた」と振り返りつつ、「彼は変化をすぐに吸収して改善できる、本当に才能豊かな選手」と改めて愛弟子を称賛した。
今季のシナーは四大大会全てで決勝に進出。全豪オープン(ハード)とウインブルドン(芝コート)では優勝し、最終戦も含め計6つのツアータイトルを獲得した。これだけの成績を残していながら、サービスの微調整が必要だったというのは一見意外に思えるが、ケーヒル氏は「テニスで最も重要なショット」であるその改善の重要性を強調する。
「テニスにおいて自分自身でコントロールできるショットはサービスだけだ。ヤニックとシモーネはここ4~5週間でそれを全面的に見直し、リズムとテンポを整える素晴らしい仕事をした結果、ファーストサービスの確率を上げることができた。
ただし、我々の取り組みはファーストサービスの確率を良くすることだけが目的ではなかった。確率を上げるだけなら球速を遅くすれば事足りるが、今の彼はむしろ球速を上げ、ライン際に打ち込んで、より多くのフリーポイントを獲得している。改めて本当に素晴らしい仕事をしていると思う」
ケーヒル氏の理論は、愛弟子が見事に結果で証明してみせた。10月の北京とウィーン(共にATP500)、パリ(ATP1000)を制し、最終戦は2年連続となる5戦全勝での優勝をゲットした。最後にバグノッツィ氏はトリノでのアルカラス戦について、母国ファンの前で強靭な精神力を発揮したシナーのパフォーマンスに「本当に満足している」と評し、「さらに改善できる点も見えたが、素晴らしい形でシーズンを締めくくれたことは本当に良かった」と今季を総括した。
文●中村光佑
【動画】シナーがアルカラスを下したATPファイナルズ決勝ハイライト
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今大会のシナーはファーストサービスのポイント獲得率が特に高かった。5戦合計の平均は驚異の82%。9月の全米オープン決勝でアルカラスに敗れてからフォームや打つ時のリズムをはじめ「サービスで多くの変化を加えた」ことが奏功したと、バグノッツィ氏は手応えを語る。
全米後に浮き彫りになったサービスの課題を克服し、「上海マスターズ(ATP1000)からここまで、ヤニックは本当にいいサービスを打てていた」と同氏。ファイナルズ決勝に関しては「第2セットはセカンドサービスの球速が落ちて流れが悪くなりかけた」と振り返りつつ、「彼は変化をすぐに吸収して改善できる、本当に才能豊かな選手」と改めて愛弟子を称賛した。
今季のシナーは四大大会全てで決勝に進出。全豪オープン(ハード)とウインブルドン(芝コート)では優勝し、最終戦も含め計6つのツアータイトルを獲得した。これだけの成績を残していながら、サービスの微調整が必要だったというのは一見意外に思えるが、ケーヒル氏は「テニスで最も重要なショット」であるその改善の重要性を強調する。
「テニスにおいて自分自身でコントロールできるショットはサービスだけだ。ヤニックとシモーネはここ4~5週間でそれを全面的に見直し、リズムとテンポを整える素晴らしい仕事をした結果、ファーストサービスの確率を上げることができた。
ただし、我々の取り組みはファーストサービスの確率を良くすることだけが目的ではなかった。確率を上げるだけなら球速を遅くすれば事足りるが、今の彼はむしろ球速を上げ、ライン際に打ち込んで、より多くのフリーポイントを獲得している。改めて本当に素晴らしい仕事をしていると思う」
ケーヒル氏の理論は、愛弟子が見事に結果で証明してみせた。10月の北京とウィーン(共にATP500)、パリ(ATP1000)を制し、最終戦は2年連続となる5戦全勝での優勝をゲットした。最後にバグノッツィ氏はトリノでのアルカラス戦について、母国ファンの前で強靭な精神力を発揮したシナーのパフォーマンスに「本当に満足している」と評し、「さらに改善できる点も見えたが、素晴らしい形でシーズンを締めくくれたことは本当に良かった」と今季を総括した。
文●中村光佑
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