2年連続で女子テニスの年間ランキング1位に輝いたアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/27歳)。優勝回数4回、決勝進出9回に加え、獲得賞金は女子テニス史上最多となる1500万8519ドル(約23億2600万円)。その数字が示すのは、圧倒的な強さだけでなく、シーズンを通じて結果を残し続ける安定感だ。
では、長らく課題とされてきたメンタル面は、どのように変化してきたのか。戦略コーチを務めるアントン・ドゥブロフ氏が、その成長のプロセスをWTA(女子テニス協会)公式サイトで語っている。
以前のサバレンカは、感情のコントロールに苦しみ、大舞台で涙をのむ場面が少なくなかった。本人も、2021年から2022年にかけてのグランドスラムでの準決勝敗退は、緊張が影響していたと過去に語っている。
しかし、メンタル強化の取り組みを続け、2023年の「全豪オープン」でメジャー初制覇を果たすと、今季の「全米オープン」で4つ目のグランドスラムタイトルを獲得するまでに成長した。
ただし、以前より落ち着いたとはいえ、いまも感情を爆発させることがないわけではない。今年の「全仏オープン」決勝では、ココ・ガウフ(アメリカ/現世界ランキング3位)との対戦中に大きな動揺を見せ、フルセットの末に敗れている。
ドゥブロフ氏は、サバレンカが今も決して完全ではないと認めつつ、彼女の成長ぶりを語った。
「ただ正直に話し合うだけです。自分が求めているものはここ(右手)、実際に経験したことはここ(左手)。その間にギャップがあって、それをどう埋めるかを考える。彼女はそこに取り組んでいますし、より正直になっています。それが私は好きなんです。
パリの後も『そう、私は間違っていた。これは私のミス。私たちは皆人間。次はどうする?』とオープンに話してくれました。ロジャー・フェデラーのように、いつも完璧な人ばかりではありませんから」
感情の揺らぎを否定せず、チームと共有して次につなげる。その姿勢こそが、現在の安定感を支えているのだろう。
さらにドゥブロフ氏は、サバレンカが初めて世界1位の座についた時と、イガ・シフィオンテク(ポーランド/同2位)に奪われ、再び取り返した現在とでは、その地位の受け止め方が変わったと指摘する。
「初めて世界ランキング1位になった時は、どうなるかわからなかった。2度目の時は、『わかった、前にもここにいたことがある。この状態を維持し、一貫性を保ちたい』という気持ちだった。彼女はより謙虚になり、長くその座に留まるだけでなく、なぜ自分が世界ランキング1位なのかを示すことに意欲的になったんだ」
数字が物語る支配力の裏には、自らと向き合い続けてきた27歳の成熟がある。
構成●スマッシュ編集部
【画像】全米オープン2025を制した女王サバレンカの厳選フォトギャラリー
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では、長らく課題とされてきたメンタル面は、どのように変化してきたのか。戦略コーチを務めるアントン・ドゥブロフ氏が、その成長のプロセスをWTA(女子テニス協会)公式サイトで語っている。
以前のサバレンカは、感情のコントロールに苦しみ、大舞台で涙をのむ場面が少なくなかった。本人も、2021年から2022年にかけてのグランドスラムでの準決勝敗退は、緊張が影響していたと過去に語っている。
しかし、メンタル強化の取り組みを続け、2023年の「全豪オープン」でメジャー初制覇を果たすと、今季の「全米オープン」で4つ目のグランドスラムタイトルを獲得するまでに成長した。
ただし、以前より落ち着いたとはいえ、いまも感情を爆発させることがないわけではない。今年の「全仏オープン」決勝では、ココ・ガウフ(アメリカ/現世界ランキング3位)との対戦中に大きな動揺を見せ、フルセットの末に敗れている。
ドゥブロフ氏は、サバレンカが今も決して完全ではないと認めつつ、彼女の成長ぶりを語った。
「ただ正直に話し合うだけです。自分が求めているものはここ(右手)、実際に経験したことはここ(左手)。その間にギャップがあって、それをどう埋めるかを考える。彼女はそこに取り組んでいますし、より正直になっています。それが私は好きなんです。
パリの後も『そう、私は間違っていた。これは私のミス。私たちは皆人間。次はどうする?』とオープンに話してくれました。ロジャー・フェデラーのように、いつも完璧な人ばかりではありませんから」
感情の揺らぎを否定せず、チームと共有して次につなげる。その姿勢こそが、現在の安定感を支えているのだろう。
さらにドゥブロフ氏は、サバレンカが初めて世界1位の座についた時と、イガ・シフィオンテク(ポーランド/同2位)に奪われ、再び取り返した現在とでは、その地位の受け止め方が変わったと指摘する。
「初めて世界ランキング1位になった時は、どうなるかわからなかった。2度目の時は、『わかった、前にもここにいたことがある。この状態を維持し、一貫性を保ちたい』という気持ちだった。彼女はより謙虚になり、長くその座に留まるだけでなく、なぜ自分が世界ランキング1位なのかを示すことに意欲的になったんだ」
数字が物語る支配力の裏には、自らと向き合い続けてきた27歳の成熟がある。
構成●スマッシュ編集部
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