12月17日に発表された、男子テニス世界ランキング1位カルロス・アルカラス(スペイン/22歳)とホアン・カルロス・フェレーロ氏(スペイン/45歳)の契約解消は、テニス界に大きな衝撃を与えている。比類なき成功を収めてきた2人が決別に至った理由とは、いったい何だったのか。
様々な憶測が広がる中、「交渉上の行き違いによって亀裂が生じた」という内部情報を、スペイン人ジャーナリストのハビエル・デ・ディエゴ氏が同国のスポーツメディア『RNE Deportes』で明かしている。
「決裂に至ったのは契約解消発表の2日前で、その理由は契約上の合意に至らなかったことにある。日々のトレーニングやスケジュール、フィジカル面や技術面に関する意見の相違ではない」
さらに同記者はこう続ける。
「フェレーロ氏とアルカラスの新契約を巡る交渉が契約解消発表の2日前に行なわれたが、その際に2人が決裂し、最終的に決定的なものとなった。今後は第2コーチのサミュエル・ロペス氏が、アルカラスの単独コーチとなる見込みだ」
そして翌18日にはスペイン語圏のテニス専門メディア『CLAY』から最新情報が伝えられた。それによると両者の2025年の契約は11月末で終了し、アルカラス側が12月13日にフェレーロ氏に新しい契約書を提示。アルカラス側はそれに15日の朝一番で署名するよう要求するも、フェレーロ氏がこれを受諾しなかったという。
つまりフェレーロ氏は、契約更新の提示を約2週間待たされた挙句、契約書を精査し署名する猶予として与えられたのは、わずか2日程度だったということになる。
スペイン大手紙『マルカ』によれば、新契約書には「大幅な報酬減額」が盛り込まれていたものの、それ自体は決定的な問題ではなく、「テニス以外の側面に問題があった」とされている。
その「テニス以外の側面」が具体的に何を指すのかは現時点では明らかにされていないが、『CLAY』に寄稿するテニス記者ナチョ・エンカボ氏が確認したところによると、以前からアルカラスの父親とフェレーロ氏の関係は緊張状態にあったという。
背景には、息子の獲得賞金の高い割合がフェレーロ氏の収入となっていた経済的な構図に加え、これまで主な練習拠点としてきたフェレーロ・テニスアカデミーから離れ、アルカラスの家族が設立を進めているテニスアカデミーの拠点であるムルシアへと、チームの活動拠点を移すよう求めていたことがあったとみられる。
既報の通り、契約解消発表時にフェレーロ氏は自身のインスタグラム(@juankiferri)を通じてアルカラスへの心からの感謝を表明したが、その文面には「本当はまだ師弟関係を続けられたら良かった」という未練をにじませる表現も含まれていた。同氏にとっては、今回の決別は納得のいく結末ではなかったのかもしれないが、それでもなお、両者に幸多き未来が訪れることを願いたい。
文●中村光佑
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様々な憶測が広がる中、「交渉上の行き違いによって亀裂が生じた」という内部情報を、スペイン人ジャーナリストのハビエル・デ・ディエゴ氏が同国のスポーツメディア『RNE Deportes』で明かしている。
「決裂に至ったのは契約解消発表の2日前で、その理由は契約上の合意に至らなかったことにある。日々のトレーニングやスケジュール、フィジカル面や技術面に関する意見の相違ではない」
さらに同記者はこう続ける。
「フェレーロ氏とアルカラスの新契約を巡る交渉が契約解消発表の2日前に行なわれたが、その際に2人が決裂し、最終的に決定的なものとなった。今後は第2コーチのサミュエル・ロペス氏が、アルカラスの単独コーチとなる見込みだ」
そして翌18日にはスペイン語圏のテニス専門メディア『CLAY』から最新情報が伝えられた。それによると両者の2025年の契約は11月末で終了し、アルカラス側が12月13日にフェレーロ氏に新しい契約書を提示。アルカラス側はそれに15日の朝一番で署名するよう要求するも、フェレーロ氏がこれを受諾しなかったという。
つまりフェレーロ氏は、契約更新の提示を約2週間待たされた挙句、契約書を精査し署名する猶予として与えられたのは、わずか2日程度だったということになる。
スペイン大手紙『マルカ』によれば、新契約書には「大幅な報酬減額」が盛り込まれていたものの、それ自体は決定的な問題ではなく、「テニス以外の側面に問題があった」とされている。
その「テニス以外の側面」が具体的に何を指すのかは現時点では明らかにされていないが、『CLAY』に寄稿するテニス記者ナチョ・エンカボ氏が確認したところによると、以前からアルカラスの父親とフェレーロ氏の関係は緊張状態にあったという。
背景には、息子の獲得賞金の高い割合がフェレーロ氏の収入となっていた経済的な構図に加え、これまで主な練習拠点としてきたフェレーロ・テニスアカデミーから離れ、アルカラスの家族が設立を進めているテニスアカデミーの拠点であるムルシアへと、チームの活動拠点を移すよう求めていたことがあったとみられる。
既報の通り、契約解消発表時にフェレーロ氏は自身のインスタグラム(@juankiferri)を通じてアルカラスへの心からの感謝を表明したが、その文面には「本当はまだ師弟関係を続けられたら良かった」という未練をにじませる表現も含まれていた。同氏にとっては、今回の決別は納得のいく結末ではなかったのかもしれないが、それでもなお、両者に幸多き未来が訪れることを願いたい。
文●中村光佑
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