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海外テニス

大坂なおみの黒人差別抗議を元男子世界1位のマリーが支持「止めるべきでない」

中村光佑

2020.12.20

社会問題にも関心を持つ元世界1位のA・マリーが大坂なおみの講義行動について地元メディアに語った。(C)GettyImages

社会問題にも関心を持つ元世界1位のA・マリーが大坂なおみの講義行動について地元メディアに語った。(C)GettyImages

 元世界1位のアンディ・マリーがイギリスの『BBC』のインタビューに応じ、女子世界3位の大坂なおみが行なった黒人差別抗議行動について言及した。

 大坂は黒人男性のジョージ・フロイドさんが警察官に殺害された事件を契機に、「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」運動に参加。ウェスタン&サザンオープン(アメリカ/ニューヨーク)の準決勝棄権を表明すると、大会側もこの動きに賛同する形で全試合を一時キャンセルした。

 また、2度目の優勝を果たした全米オープンでは、黒人差別によって殺害された7人の犠牲者の名前が記されたマスクを着用し、活動家としての一面を見せたことで、全世界から注目を浴びた。
 
 マリーは「アスリートの中には、巨大なプラットフォームを持っていて、特定の問題への意識を高める役割を果たすことができる人がいる」と語った上で、黒人差別排除に向けた問題提起を行なったとして大坂をピックアップした。

「テニスでは、大坂なおみが8月のウェスタン&サザンオープンの準決勝でプレーしないことを決めた。個人のアスリートとして、自分でプレーしないという決断をすることがあるけど、なおみは自身の周辺で起こっていた黒人差別について非常に強い意識を持っていた」と語ったマリー。

 続けて「なおみや他のアスリートたちがそれぞれの重要な役割を果たし、何かを発言しているのを目にするのは素晴らしいこと。内気な彼女がテニスの新たなリーダーになるための声をどのように見つけたのかを見ていく必要がある」と一連の抗議行動を称賛した。

 また、マリーは「中には『競技に集中しろ』と言う人もいるが、それは不公平なことだ。誰にでも意見を言う権利はあるはずだ。誰もが自分の言うことに同意するわけではないけど、誰かを傷つけたり苦しめたりしていない限り、声を上げることを止めるべきではない」と自身の見解を示した。

 マリー自身も社会的な問題への関心が高いことで知られているだけに、大坂の行動に心を打たれた部分があったのかもしれない。今後もマリーや大坂を含め、様々なアスリートが競技以外の面でどのように影響力を行使していくのか、非常に興味深い。

文●中村光佑

【写真】抗議活動をしながら全米OP優勝を果たした大坂なおみの大会プレイバック!

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