過去から現在まで、テニス界には数多くのグッドサーバーが存在した。彼らが超高速フラットを打てたり、鋭い回転をかけられたポイントは何か? このシリーズでは、そこから一般愛好家が“イイトコ取り”して憧れのサービスに近付く方法を、元ナショナルコーチの丸山薫氏が解説する。第9回は最終回としてマテオ・ベレッティーニのスピンサービスに学ぶ!
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最近のプレーヤーでグッドサービスとして目を引くのが、ベレッティーニのスピンサービスです。彼は196センチと上背があるので、フラットでもスピンでも高い打点から角度をつけたサービスが打てます。
特にアドバンテージサイドからスピンを鋭角に打てるとコートの外に高く弾んでいくので、レシーバーはスイートスポットを外しやすい。そうやって有利な形でストローク戦につなげるのが、ベレッティーニのパターンです。
フォーム自体はシンプルで、極端に身体のどこかを使ったり、特別な動きをしているわけではありません。バランスだけ保って、リラックスしてラケットを振り上げています。そのリラックスが生むメリットを、一般愛好家の皆さんも取り入れてみましょう。
写真の2コマ目を見ると、ラケットダウンが非常に深く、そこから打点に向けて十分な移動距離が取れています。これがラケットを下から上に鋭く加速できる理由です。
この深いラケットダウンは、グリップの握りが柔らかいからこそ可能になります。そして振り上げながら徐々に手に力を入れ、インパクトでギュッと握る。その結果、回転量だけでなく弾きも強くなり、勢い良く跳ねるスピンになるわけです。
一般愛好家は手を強く握りすぎて、ラケットダウンが浅くなる傾向があります。心当たりのある方は注意してください。
また、インパクト(4コマ目)でラケットを起こし切っていない点にも注目。ここで打つと、さらにラケットを振り上げるスペースが作れるので、ボールを持ち上げられます。手に力を入れても、打つ時に伸び切らないように気を付けましょう。
【プロフィール】マテオ・ベレッティーニ/Matteo Berrettini(ITA)
1996年生まれ。頑強なストローカーのイメージがあるが、長身からのサービスも強力。2019年全米&22年全豪4強、21年全仏8強、21年ウインブルドン準優勝とサーフェスを問わない強さを見せる。ATPランキング自己最高6位。
解説●丸山薫 構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年11月号より再編集
【連続写真】高く弾むM・ベレッティーニのスピンサービス『30コマの超分解写真』
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最近のプレーヤーでグッドサービスとして目を引くのが、ベレッティーニのスピンサービスです。彼は196センチと上背があるので、フラットでもスピンでも高い打点から角度をつけたサービスが打てます。
特にアドバンテージサイドからスピンを鋭角に打てるとコートの外に高く弾んでいくので、レシーバーはスイートスポットを外しやすい。そうやって有利な形でストローク戦につなげるのが、ベレッティーニのパターンです。
フォーム自体はシンプルで、極端に身体のどこかを使ったり、特別な動きをしているわけではありません。バランスだけ保って、リラックスしてラケットを振り上げています。そのリラックスが生むメリットを、一般愛好家の皆さんも取り入れてみましょう。
写真の2コマ目を見ると、ラケットダウンが非常に深く、そこから打点に向けて十分な移動距離が取れています。これがラケットを下から上に鋭く加速できる理由です。
この深いラケットダウンは、グリップの握りが柔らかいからこそ可能になります。そして振り上げながら徐々に手に力を入れ、インパクトでギュッと握る。その結果、回転量だけでなく弾きも強くなり、勢い良く跳ねるスピンになるわけです。
一般愛好家は手を強く握りすぎて、ラケットダウンが浅くなる傾向があります。心当たりのある方は注意してください。
また、インパクト(4コマ目)でラケットを起こし切っていない点にも注目。ここで打つと、さらにラケットを振り上げるスペースが作れるので、ボールを持ち上げられます。手に力を入れても、打つ時に伸び切らないように気を付けましょう。
【プロフィール】マテオ・ベレッティーニ/Matteo Berrettini(ITA)
1996年生まれ。頑強なストローカーのイメージがあるが、長身からのサービスも強力。2019年全米&22年全豪4強、21年全仏8強、21年ウインブルドン準優勝とサーフェスを問わない強さを見せる。ATPランキング自己最高6位。
解説●丸山薫 構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年11月号より再編集
【連続写真】高く弾むM・ベレッティーニのスピンサービス『30コマの超分解写真』