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レッスン

【テニスルール虎の巻】ダブルスでパートナーにアウトになりそうな打球を「アウト」と言って止めさせるのは違反なのか<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.12.01

パートナーに打たせないため「アウト」と声掛けした場合、果たしてルールに抵触するのか…。(C)Getty Images

パートナーに打たせないため「アウト」と声掛けした場合、果たしてルールに抵触するのか…。(C)Getty Images

 多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す「セルフジャッジ」でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単」と思うかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。

 そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこで元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。

 今回のケースは「ダブルスパートナーへの助言」についてです。

 相手の打球がアウトになると思ってパートナーに「アウト」と言って打つのを止めさせたら、相手から「ルール違反」と指摘されました。果たしてこんな時、どうすればいいのか。

   ◆    ◆    ◆

「プレー中は声を出してはいけない」というルールがあります。ボールを打つ時に発する唸り声(呼吸音)以外は基本的に認められていません。ですから、プレー中に声を出す行為は、相手のプレーへの妨害とみなされることもあります。

 今回のようなケースでは、審判がいれば判定をお願いすることが最善の策だと思います。ボールがコートに着地する前にパートナーに〝打つな!〞という意志を伝えるために「アウト」と声掛けした人は、ジャッジしたつもりではないとしても、「アウト」という言葉はジャッジのコールに該当し、相手はその掛け声によってプレーを止めてしまうこともあります。その場合はヒンダランス(妨害)で失点となることもあります。
 
 ジャッジが食い違った場合、1回目はポイントのやり直しとなるルールがありますが、それはボールの着地地点を見てアウトとジャッジしたが、すぐに間違いを訂正した、というようなケースで、今回のケースとは異なります。

 ダブルスの試合では、チーム内で声を掛け合って戦うことはよくありますが、こうしたトラブルを避けるためにも、パートナーに打つのを見送らせる時は「アウト」ではなく「ウォッチ(見て)」や「落として」などと声掛けするといいでしょう。

解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出をはじめ、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF国際審判員、JTA公認審判員も務める。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2023年3月号より抜粋・再編集

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