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海外テニス

無実のドーピング違反で19カ月間出場停止!無罪となった31歳女子テニス選手が再起に向けファンに呼びかけ<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.03.23

無実のドーピング違反で19カ月に及ぶ出場停止を強いられた31歳のタラ・ムーアが、戦線復帰に向け資金集めのためクラウドファンディングを立ち上げた。(C)Getty Images

無実のドーピング違反で19カ月に及ぶ出場停止を強いられた31歳のタラ・ムーアが、戦線復帰に向け資金集めのためクラウドファンディングを立ち上げた。(C)Getty Images

 年齢を重ねるごとにトップアスリートとして活躍できる時間は少なくなっていく。

 元世界ランキング77位の英国女子テニス選手タラ・ムーアは、ドーピング違反の罪で約19カ月にわたりツアーへの出場が許されなかった。だが昨年12月に開かれた独立裁判所で「禁止薬物は汚染された肉を介して摂取されたため過失はない」と判断され無罪が確定。晴れて自由の身になったのである。

 だが、現在31歳になるムーアにとって、新たな戦いが待っていた。

 テニスツアーに参戦する場合、選手自身の世界ランクによって出場できる大会グレードが決まってくる。ランキングは参加した大会の成績に応じてポイントが与えられ、その累積ポイントにより順位が決まる。だが獲得したポイントは1年で消滅するため、約19カ月にわたり大会不出場のムーアの累積ポイントはゼロ。ランキング表にその名前はない。そのためゼロからの再スタートとなるのだ。

 無罪を勝ち得たあとSNSを通じて「19カ月の失われた時間。私の名声やランキング、生計がゆっくりと消えていった」と綴りながらも、「修復するには19カ月以上かかるだろうけど、これまで以上に強くなって戻ってくる」と前向きな姿勢を見せていた。

 そんなムーアがキャリア再建に向けて3月22日、クラウドファンディングを立ち上げたことを自身の公式SNSを通じて発表した。

「ご存知のとおり、私の復帰に向けた道のりは簡単ではなかったし、今後も簡単ではないでしょう。 私は、起こったことすべてに関連する費用を支援するために、『go Fund me』を始めました。もし可能であれば寄付とシェアをお願いします。そうでなくても私を嫌いにならないでください。 良いことだけです! 本当にありがとう」
 
 元世界1位のシモナ・ハレップ(ルーマニア)は、ドーピング違反による資格停止処分が4年間から9カ月に軽減され、現在開催中の「マイアミ・オープン」(アメリカ)で復帰を果たした。彼女のようなスター選手であれば、例えランキングが消滅していても大会側はワイルドカード(主催者推薦)を使い出場させてくれる。

 だが、ムーアのようなさほど有名でない選手には、ワイルドカードによるサポートは発生しにくいのが現実だ。厳しい状況を切り抜けるために彼女は次のよう綴る。

「知らない人のために説明すると、テニスはものすごくお金がかかるスポーツなんです。コーチを雇うだけでも週に3~5千ドル(約45~75万円)はかかるし、ハードなトレーニングをサポートする優秀なフィットネストレーナーや理学療法士も必要です。だからこそ、どんなレベルのサポートでも助けになります。たとえそれが大した額でなくても、あるいは大した違いにはならないと思っても、私のトレーニングや食費、旅費、継続的な弁護士費用などに使われます。またすぐにウインブルドンで会えることを願っています」

『Help Tara get back to the Grand Slams!』(タラのグランドスラム復帰に力を貸してください!)と題されたクラウドファンディングには、日本時間の23日・12時の時点で3千783ドル(約57万円)が寄せられており、2万ドル(約300万円)をゴールに設定している。果たしてムーアは、ファンのサポートを受けて再び世界ツアーの舞台に立つことができるのか、注目したい。

構成●スマッシュ編集部

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