25歳でテニスを始め、32歳でプロになった市川誠一郎選手は、夢を追って海外のITF大会に挑み続ける。雑草プレーヤーが知られざる下部ツアーの実情や、ヨーロッパのテニス環境を綴る転戦記。
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ヨーロッパでは各国で国内大会やクラブリーグがたくさん開催されており、国際ツアーに出場しなくても、そこで多くの試合経験を積むことができます。前回に引き続き、それぞれの国の特徴を紹介しましょう。
【イギリス】
ロンドンでは夏の間かなり多くの国内大会が開催されており、7月であれば毎週複数の大会に出場できるでしょう。ドイツやオランダに比べると、住宅街から近い場所に試合会場があるケースが多く、自転車で試合に行くという選手も珍しくありません。
そして最大の特徴は、他のヨーロッパ諸国の夏の大会がほぼ全てレッドクレーなのに対し、イギリスにはクレーがほとんどないことです。イギリス独特の特殊なハードコートや人工芝もすごく多く、ヨーロッパのテニスを象徴するレッドクレーでプレーする機会がないのが一番のネックでしょう。
その代わり、夏のロンドンでは天然芝でプレーする機会が稀にあるかもしれません。
イギリスの国内大会出場の登録は非常に簡単で、クラブに所属する必要もありません。クラブリーグはありますが、他のヨーロッパ諸国に比べると、戦いというよりクラブ間の社交の場として機能している印象がありました。
【スペイン】
僕がいたのはバレンシアでしたが、夏の間はたくさんの大会があり、おおむね毎週大会に出場できます。おそらくバルセロナならさらに多くの大会があるでしょう。
またスペインは冬の間も屋外のクレーコートが使える数少ない国で、冬季でも一定数の国内大会があります。登録にはクラブへの登録が必要です。
【セルビア】
ヨーロッパ諸国の中では非常に物価が安く、さらに良い練習環境も見つけやすいセルビアですが、唯一の難点は国内大会の少なさです。首都ベオグラードの夏でも、毎週大会を見つけるのは難しいのが実情です。
登録も比較的面倒で、クラブへの所属はもちろん、セルビアの医療機関でメディカルチェックを受ける必要もあるなど、オンラインで簡単にはできません。
大会数が少ないので、僕は個人が開催しているアマチュアのリーグのようなものに参加していました。いわば草トーナメントに近いですが、それも決してたくさんあるわけではありません。
セルビアの良いところは、比較的安価にプライベートコーチなどの練習環境を整えやすいことや、アカデミーやコーチ間の横のつながりがフレキシブルで、日々色々な場所で練習に参加しやすいことです。
セルビアに行く場合は、試合というよりは練習拠点にする目的で行くのが良いと思います。
文●市川誠一郎
〈PROFILE〉
1984年生まれ。開成高、東大を卒業後ゼロからテニスを始め、32歳でプロ活動開始。36歳からヨーロッパに移り、各地を放浪しながらITFツアーに挑んでいる。2023年5月、初のATPポイントをダブルスで獲得。Amebaトップブロガー「夢中に生きる」配信中。ケイズハウス/HCA法律事務所所属。
【PHOTO】ヨーロッパ各国の国内大会やテニスコートの風景
【PHOTO】ヨーロッパのテニス文化を象徴する「クラブリーグ」の情景集
【PHOTO】雑草プロの世界転戦記・ヨーロッパのテニスアカデミーでの日常風景
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ヨーロッパでは各国で国内大会やクラブリーグがたくさん開催されており、国際ツアーに出場しなくても、そこで多くの試合経験を積むことができます。前回に引き続き、それぞれの国の特徴を紹介しましょう。
【イギリス】
ロンドンでは夏の間かなり多くの国内大会が開催されており、7月であれば毎週複数の大会に出場できるでしょう。ドイツやオランダに比べると、住宅街から近い場所に試合会場があるケースが多く、自転車で試合に行くという選手も珍しくありません。
そして最大の特徴は、他のヨーロッパ諸国の夏の大会がほぼ全てレッドクレーなのに対し、イギリスにはクレーがほとんどないことです。イギリス独特の特殊なハードコートや人工芝もすごく多く、ヨーロッパのテニスを象徴するレッドクレーでプレーする機会がないのが一番のネックでしょう。
その代わり、夏のロンドンでは天然芝でプレーする機会が稀にあるかもしれません。
イギリスの国内大会出場の登録は非常に簡単で、クラブに所属する必要もありません。クラブリーグはありますが、他のヨーロッパ諸国に比べると、戦いというよりクラブ間の社交の場として機能している印象がありました。
【スペイン】
僕がいたのはバレンシアでしたが、夏の間はたくさんの大会があり、おおむね毎週大会に出場できます。おそらくバルセロナならさらに多くの大会があるでしょう。
またスペインは冬の間も屋外のクレーコートが使える数少ない国で、冬季でも一定数の国内大会があります。登録にはクラブへの登録が必要です。
【セルビア】
ヨーロッパ諸国の中では非常に物価が安く、さらに良い練習環境も見つけやすいセルビアですが、唯一の難点は国内大会の少なさです。首都ベオグラードの夏でも、毎週大会を見つけるのは難しいのが実情です。
登録も比較的面倒で、クラブへの所属はもちろん、セルビアの医療機関でメディカルチェックを受ける必要もあるなど、オンラインで簡単にはできません。
大会数が少ないので、僕は個人が開催しているアマチュアのリーグのようなものに参加していました。いわば草トーナメントに近いですが、それも決してたくさんあるわけではありません。
セルビアの良いところは、比較的安価にプライベートコーチなどの練習環境を整えやすいことや、アカデミーやコーチ間の横のつながりがフレキシブルで、日々色々な場所で練習に参加しやすいことです。
セルビアに行く場合は、試合というよりは練習拠点にする目的で行くのが良いと思います。
文●市川誠一郎
〈PROFILE〉
1984年生まれ。開成高、東大を卒業後ゼロからテニスを始め、32歳でプロ活動開始。36歳からヨーロッパに移り、各地を放浪しながらITFツアーに挑んでいる。2023年5月、初のATPポイントをダブルスで獲得。Amebaトップブロガー「夢中に生きる」配信中。ケイズハウス/HCA法律事務所所属。
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【PHOTO】ヨーロッパのテニス文化を象徴する「クラブリーグ」の情景集
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