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ゴルフ

「大谷翔平がスポーツ面を重視した一方で、我が国の英雄は…」世界ランク3位のスペイン人プロゴルファーに批判殺到!「サウジアラビアに魂を売った」

下村正幸

2023.12.20

ともに29歳で大きな決断を下した大谷翔平(左)とジョン・ラーム(右)。(C)Getty Images

ともに29歳で大きな決断を下した大谷翔平(左)とジョン・ラーム(右)。(C)Getty Images

 大谷翔平が12月9日、自身のインスタグラムでロサンゼルス・ドジャースに移籍することを発表した2日前、スぺイン・スポーツ界とゴルフ界に衝撃的なニュースが流れた。大谷と同じく29歳のスペイン人プロゴルファー、ジョン・ラームが、サウジアラビアの政府系ファンドが設立したゴルフツアー「LIVゴルフ」への電撃移籍を発表したのだ。

 現在、世界ランキング3位のラームは、2021年の全米オープンや2023年のマスターズを制した正真正銘のトッププレーヤーだ。スペイン国内でも当然人気があり、F1ドライバーのフェルナンド・アロンソやテニスプレーヤーのラファエル・ナダルと並び、世界で活躍するスペイン人超一流アスリートとして認識されている。

 今回の急転直下のLIV移籍に対する反応は総じてネガティブで、SNSを中心に「裏切り者」や「偽善者」など否定的な声が飛び交っている。もっとも同じスペイン人のセルヒオ・ガルシアを筆頭に、フィル・ミケルソンやダスティン・ジョンソンなど、サウジアラビアのオイルマネーに惹かれ、LIVに参戦したトップゴルファーは他にもいるが、そんな中、ラームが厳しい言葉を浴びせられているのは、前言を翻したからに他ならない。
 
 実際ラームは、「お金のためにゴルフをプレーしたことは一度もない」、「予選カットなしの3日間大会はゴルフの試合ではない」、「今すぐ現役を引退しても、幸せな暮らしができる」、「LIVでプレーすることは僕にとってプラスになるとは思えない」などの発言を繰り返し、LIVの誕生でPGAツアーとの二極化が進むゴルフ界において、古き良き伝統の継承者として位置づけられていた。

 そんなラームのLIV移籍による激震の余韻が冷めやらない中、世界を駆け巡ったのが、大谷のドジャース移籍のニュースだった。野球が人気スポーツではないスペイン人にとっても、10年で総額7億ドル(約1015億円)という超大型契約は十分に目を引くものだった。しかも総額では、ラームが「サウジアラビアに魂を売った」ことを引き換えに4年間で手にする5億5000万ドル(大手ラジオ局『カデナ・コペ』の情報)を上回る。

 スペインの複数のメディアは両者の契約金の額をクローズアップし、「ラームは48時間も経たないうちに、大谷によって、世界のスポーツ史上最高額の選手の座から引きずりおろされた」と報じた。そして、「プレーオフ進出やワールドチャンピオンを目指し、金銭面よりも競技面や環境面を優先した」という大谷の移籍先の選定理由にも、スペインのメディアは着目している。
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