９月19日、東京世界陸上７日目は女子やり投予選が行なわれ、パリ五輪金メダリストの北口榛花が予選Ａ組に登場。60メートル38の組８位で全体12位以内に入れず、まさかの予選敗退となった。満員の国立開催で日本女子史上初の連覇を目指したが、無残にもその夢が潰えた。

　世界女王が涙に暮れた。決勝進出条件は３投のうち62メートル50以上または上位12名に入ることが絶対条件。予選A組のトップバッターで登場した北口はホームの大声援を受け、まず１投目で60メートル31を記録。続く２投目で７センチ伸ばしたが、予選突破をかけて思いを乗せた最後の投てきは60メートルにすら届かなかった。
  　通過ライン微妙な結果に呆然とする北口。競技後は目を真っ赤にして取材ゾーンに現れた。

　開口一番「たぶん決勝には残れない。悔しい結果になった」と涙声で肩を落とした。「春先から怪我が続いて精神的にも苦しい部分があったけど、東京世界陸上があるから練習に戻ろうと思えた。今シーズン、素敵なゴールを作ってくれた皆さんに本当に感謝したい」と語った。

　僅かな望みを信じて決勝進出圏内でＢ組の結果を待つことになったが、願いは届かず。B組のラトビア選手が北口の記録を上回り、北口は全体13位に転落。世界女王は姿を消した。​​​​​​

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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