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陸上

「女子はまだまだと言われてきたので必ず私がメダルを獲る」難解ミッション遂行で歴史を動かした藤井菜々子。“自分の思い描いた通りのレース”で銅メダルを獲得【世界陸上/女子20km競歩】

THE DIGEST編集部

2025.09.20

ゴール後に喜びを身体全体で表現した藤井。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

ゴール後に喜びを身体全体で表現した藤井。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 2025年9月20日、東京世界陸上8日目。女子20キロ競歩で藤井菜々子(26歳/エディオン)が日本新記録の1時間26分18秒で日本女子競歩史上初の銅メダルを手にした。

 レース序盤から先頭集団に食らいつくと、15キロ過ぎ付近でマリア・ペレス(スペイン)とアレグナ・ゴンザレス(メキシコ)に引き離される。それでもペースを乱さず、後続に迫られながらも堂々と3位でフィニッシュした。

 ゴール後、両手を広げて喜びを表現した藤井。歴史を動かした瞬間でもあった。そんな彼女は中継のインタビューで以下のようにコメントしている。

「まさかこの大会でベスト(日本新記録)が出ると思っていなかったので嬉しいです。今大会は本気でメダルを狙って、勝ちに行ったのでその通りになったというか、自分の思い描いたレースができたので、大感激です」
 
 観衆の大歓声が大きなパワーになった。

「苦しくなってからいろんな方の応援が耳に響いて、『これは行くしかない』と思ってスイッチを入れ直しました。本当に嬉しかったです。(国立競技場には)思ったより人がたくさんいて、うわーっとなったのが気持ち良かったです」

 自身4度目の世界陸上で成し遂げた快挙だ。

「いつも男子がメダルを獲っていて、女子はまだまだと言われてきたので、必ず私がメダルを獲ると。次への大きな一歩に踏み出せました。まだ程遠いですが、銅メダルは獲得できたので次は金メダルへと歩いて行きたいです」

 難解なミッションを、東京世界陸上という最高の舞台で遂行。ゴール後の涙、そして爽やかな表情が印象的だった。

▼女子20km競歩
金メダル マリア・ペレス 1時間25分54秒
銀メダル アレグナ・ゴンサレス 1時間26分06秒
銅メダル 藤井菜々子 1時間26分18秒 ※日本新記録

構成●THE DIGEST編集部

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