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ラグビー

「絶対に勝てる自信もあった」日本代表、強豪フィジー相手に見せた超速ラグビーの進化 27-33で惜敗も…悔しさ滲む敗戦に手応え

向風見也

2025.09.23

決勝ではフィジーに惜敗した日本だが、確実に成長した姿を見せた。写真提供:JRFU

決勝ではフィジーに惜敗した日本だが、確実に成長した姿を見せた。写真提供:JRFU

 口惜しい、と感じられるようになった。

 ラグビー日本代表は、環太平洋諸国、北米勢とぶつかるパシフィック・ネーションズカップを2大会連続の準優勝で終えた。

 アメリカのソルトレイクシティで現地時間9月20日、決勝に臨み、戦前の世界ランクで4つ上回る9位にあたるフィジー代表に27―33で惜敗した。3連覇を許した。
 

 大阪で開かれた前年のファイナルでは、同カードを17―41で落としていた。中盤以降に突き放された。

 当時、約9年ぶりに復帰したてだったエディー・ジョーンズヘッドコーチは「(強豪相手に)長時間ハードワークするレベルには達していません。本日は実力が不足していた」。一部の主力選手も、地力の差を認めた。

 一方、今度のゲームでは、一時10―33と差をつけられながらも終盤に接近した。劣勢時は大きく抜かれた後の必死の戻りがあり、追い上げる折は組織的なボール保持で向こうを反則禍に陥らせた。「長時間ハードワーク」の領域で変化を示したのだ。

 そもそもこの80分では、準決勝までの主要先発陣のうち4名を欠いていた。なかにはフランカーとして衝突局面を支えたベン・ガンター、攻守両面で軸をなすセンターのディラン・ライリーといった主軸が含まれていた。

 さながらピンチだったにもかかわらず、今年代表デビューの国内組らが爪痕を残した。指揮官は「身体能力を見せつけられたフィジー代表に後半、対応した。きつい負けではあるが成長が見られた」と強調した。

 何よりずっとフッカーで先発の江良颯が、充実していたからこその無念さをにじませた。潔く「実力」の差を受け入れるのは終わった。

「皆で誇りを持ってハードな練習をしてきました。絶対に勝てる自信もありました。悔しさは大きいです」

 今度のコンペティションは、一部の国にとり2027年のワールドカップ(W杯)オーストラリア大会予選を兼ねていた。すでに出場を決めている日本代表にとっても、今年12月にある大会の組み合わせ抽選を優位に運ぶべく世界ランクを上げたいところだった。

 この重圧と対峙したのは、若いスコッドだった。

 7月の対ウェールズ代表2連戦でフランカーとしてタックルし続けた36歳のリーチ マイケル主将は、個人的事情で未招集だった。8強入りした2019年のW杯日本大会組はゼロで、23年のW杯フランス大会に出た齋藤直人も欧州挑戦のため不参加である。

 ジョーンズは「スピードデイ」「フィジカルデー」など日ごとにテーマを決めたハードなセッションを課しながら、若年層が主体的になるのを促した。昨年からナショナルチームにはいったスクラムハーフの藤原忍は、開幕前に証言した。

「エディーさんには『一人ひとりがリーダーだと思って引っ張っていけ』と言われます」
 
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