来年2月6日に開幕するミラノ・コルティナ冬季五輪で、初採用される「スキーモ(山岳スキー)」。この新種目が異例の注目を集めている。
スキーモとは、スキー板を履いたまま山岳地帯に設定されたコースで行なうタイムレースで、ヨーロッパを中心に人気の競技。ミラノ・コルティナ五輪では、男子アルペンスキーも開催されるボルミオの伝説的アルペンスキー場「ステルヴィオ・スキー場」を舞台に、2月19日に「男女スプリントレース」と同21日に「混合リレー」が実施される。
スプリントレースは、上りと下りを組み合わせた構成で実施。上りは3つのステージに分かれ、選手はスキーを装着したままスタート。途中でスキーを外してバックパックに装着し徒歩で登山を行なう。最後は再びスキーを履いて登り、頂点に到達後はクライミングスキン(滑り止めのシート)を外し、一気にゴールまで滑り降りる。
レースはヒート制で進行し、各ステージを勝ち抜いた選手が決勝に進出。メダリストは決勝で決まり、1ヒートの所要時間は約3分半と、短時間で激しい攻防が繰り広げられる。
一方で「混合リレー」は、登りを2回行なう構成で、途中にはスキーを外してバックパックに装着し、徒歩で登る区間も含まれる。その後は下りを2回こなすレース形式となっている。
そんな新種目について、米メディア『Deseret News』は現地12月16日、「スキーモって知ってる? 来年のオリンピックで新種目になる」と題した記事をアップ。「もともとスイス、フランス、イタリアのアルプス山脈での軍事訓練が起源とされ、現在も幅広い年齢層に親しまれているが、その裾野は世界中に広がっている」と紹介。「多くの冬季競技と異なり、大規模な設備を必要としない点が特徴だ」と続けた。
同メディアによると、すでに男子・女子スプリントと混合リレーの3種目はチケットが完売している。その魅力について、大会組織委員会は「エキサイティングで、過酷で、アドレナリンに満ちた競技」と評価している。さらに、「リフトやゴンドラを必要とせず、オフピステの急斜面(整備されていないバックカントリーやゲレンデ外の未圧雪エリア)を使い、手つかずの自然と繋がることが出来る」と説明した。
この競技を統括する国際スキーマウンテニアリング連盟(ISMF)のレギュラー・マイヤー会長も「整備されたゲレンデや山小屋を好む人もいますが、若い世代を中心に『静かな自然の中で、自分だけの力で頂上を目指したい』という価値観が広がっている」とコメント。同メディアは、スキーリゾートの料金高騰や新型コロナウイルス禍による“密”を避ける行動が、競技人気の後押しになったと指摘した。
さらにマイヤー会長は「本当に多くの人がこの競技を楽しんでいます。私の住むスイスの山間部では、子どもから80歳を超える人まで幅広い」と、年齢や経験を問わず参加できる競技であることを強調した。
今月6日、7日には、五輪出場を懸けた最終選考対象大会となるISMF(国際山岳スキー連盟)主催の「スキーモ・ワールドカップ」が、米ユタ州のソリチュード・マウンテンリゾートで開催された。スプリント種目には日本から男子2名、女子4名が出場し、男子では25歳の島徳太郎が全体20位でフィニッシュ。女子は32歳の上田絢加が全体22位でレースを終えた。また、混合リレーにおいても日本勢は五輪出場枠を獲得することはできなかった。
自然との一体感を味わえる新時代のウインタースポーツとして、世界的な注目を集めるスキーモ。五輪の舞台でどのような戦いが繰り広げられるのか、今後ますます関心が高まりそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】想像以上に過酷...五輪新種目スキーモのリアルなレース映像
スキーモとは、スキー板を履いたまま山岳地帯に設定されたコースで行なうタイムレースで、ヨーロッパを中心に人気の競技。ミラノ・コルティナ五輪では、男子アルペンスキーも開催されるボルミオの伝説的アルペンスキー場「ステルヴィオ・スキー場」を舞台に、2月19日に「男女スプリントレース」と同21日に「混合リレー」が実施される。
スプリントレースは、上りと下りを組み合わせた構成で実施。上りは3つのステージに分かれ、選手はスキーを装着したままスタート。途中でスキーを外してバックパックに装着し徒歩で登山を行なう。最後は再びスキーを履いて登り、頂点に到達後はクライミングスキン(滑り止めのシート)を外し、一気にゴールまで滑り降りる。
レースはヒート制で進行し、各ステージを勝ち抜いた選手が決勝に進出。メダリストは決勝で決まり、1ヒートの所要時間は約3分半と、短時間で激しい攻防が繰り広げられる。
一方で「混合リレー」は、登りを2回行なう構成で、途中にはスキーを外してバックパックに装着し、徒歩で登る区間も含まれる。その後は下りを2回こなすレース形式となっている。
そんな新種目について、米メディア『Deseret News』は現地12月16日、「スキーモって知ってる? 来年のオリンピックで新種目になる」と題した記事をアップ。「もともとスイス、フランス、イタリアのアルプス山脈での軍事訓練が起源とされ、現在も幅広い年齢層に親しまれているが、その裾野は世界中に広がっている」と紹介。「多くの冬季競技と異なり、大規模な設備を必要としない点が特徴だ」と続けた。
同メディアによると、すでに男子・女子スプリントと混合リレーの3種目はチケットが完売している。その魅力について、大会組織委員会は「エキサイティングで、過酷で、アドレナリンに満ちた競技」と評価している。さらに、「リフトやゴンドラを必要とせず、オフピステの急斜面(整備されていないバックカントリーやゲレンデ外の未圧雪エリア)を使い、手つかずの自然と繋がることが出来る」と説明した。
この競技を統括する国際スキーマウンテニアリング連盟(ISMF)のレギュラー・マイヤー会長も「整備されたゲレンデや山小屋を好む人もいますが、若い世代を中心に『静かな自然の中で、自分だけの力で頂上を目指したい』という価値観が広がっている」とコメント。同メディアは、スキーリゾートの料金高騰や新型コロナウイルス禍による“密”を避ける行動が、競技人気の後押しになったと指摘した。
さらにマイヤー会長は「本当に多くの人がこの競技を楽しんでいます。私の住むスイスの山間部では、子どもから80歳を超える人まで幅広い」と、年齢や経験を問わず参加できる競技であることを強調した。
今月6日、7日には、五輪出場を懸けた最終選考対象大会となるISMF(国際山岳スキー連盟)主催の「スキーモ・ワールドカップ」が、米ユタ州のソリチュード・マウンテンリゾートで開催された。スプリント種目には日本から男子2名、女子4名が出場し、男子では25歳の島徳太郎が全体20位でフィニッシュ。女子は32歳の上田絢加が全体22位でレースを終えた。また、混合リレーにおいても日本勢は五輪出場枠を獲得することはできなかった。
自然との一体感を味わえる新時代のウインタースポーツとして、世界的な注目を集めるスキーモ。五輪の舞台でどのような戦いが繰り広げられるのか、今後ますます関心が高まりそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】想像以上に過酷...五輪新種目スキーモのリアルなレース映像
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