2025年のRIZIN大晦日大会『RIZIN師走の超強者祭り』は、一つの節目となるイベントだった。
2015年に旗揚げして10周年。“聖地”とも言える会場のさいたまスーパーアリーナは2026年1月から改修工事のため休館となる。現状の「たまアリ」では最後のRIZIN開催ということだ。そんな重要な大会に、ゲストとしてPRIDE時代からのレジェンドであるミルコ・クロコップ、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラも来日を果たしている。
試合内容も、RIZIN10年の歴史の中でも屈指のものだったと言える。プロ顔負けの攻防を展開した第0試合のRIZIN甲子園決勝、ジョリーが芦澤竜誠を秒殺した第1試合からインパクト絶大。福田龍彌と安藤達也は打撃戦で観客を沸かせた。
後半戦の5大タイトルマッチは、すべてが年間ベストバウト級と言ってもよかった。伊澤星花はRENAのパンチでダウンしながら逆転一本勝ちで女子スーパーアトム級王座防衛。ダニー・サバテロは井上直樹をドロドロの我慢比べで振り切り、バンタム級新王者となった。
フライ級トーナメント決勝、扇久保博正vs元谷友貴は魂の打ち合いを制した扇久保が悲願のRIZIN初戴冠。ライト級タイトルマッチでは、絶対王者のホベルト・サトシ・ソウザが敗れる大波乱が起きた。しかも相手は欠場選手の代打としてマッチメイクされたイルホム・ノジモフ。タックルに対して「練習していた」というカウンターのヒザを完璧に当ててのKOだ。
そしてメインイベント。フェザー級タイトルマッチでは王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフが圧倒的な強さを見せた。これが3度目の王座戦となる挑戦者・朝倉未来を1ラウンドでTKO。
未来の足を掴むと大きく持ち上げてマットに叩きつける。なんとか立ち上がろうとする未来のバックを取ると、今度はジャーマン・スープレックスを連発。
「会場を盛り上がるためにやりました」
日本のファンの声援がモチベーションになるというシェイドゥラエフは、試合後にそう語った。グラウンドでは左右のパウンドを振り下ろす。いっそバイオレンスと呼びたくなるような無慈悲な拳の連打で試合は終わった。シェイドゥラエフはこれでデビューから16連勝。しかもすべて一本・KOでの勝利だ。破格の強さと言うしかない。
「目標はパウンド・フォー・パウンドです」
シェイドゥラエフは言う。そのために他団体の選手とも闘いたいし、相手は選ばないと(ただ友人であるノジモフとの王者対決は乗り気ではないそうだ)。
RIZINフェザー級にも、この日ヴガール・ケラモフに勝利したクレベル・コイケなどの挑戦者候補がいる。スクランブル出場ながら鮮やかなKO勝ちを見せた新鋭・秋元強真、欠場中だが平本蓮に期待する声も。
2026年はシェイドゥラエフの試合がRIZINの目玉カードになっていきそうだ。試合を見守ったミルコやノゲイラ、あるいはエメリヤーエンコ・ヒョードルが活躍した全盛期のPRIDEのような熱気に、今のRIZINは近づきつつある。世界最高峰の舞台はUFCであるにしても、それに負けず劣らずと思える選手がRIZINにもいる。その代表格がシェイドゥラエフだ。
もちろん、現時点で誰がシェイドゥラエフに勝てるのかは分からない。正直に言えば、対戦相手選びから難しいだろう。「この男ならシェイドゥラエフに勝てる」と思いを託すことができる存在が出てくるかどうか。その部分も大きなテーマだ。
ただ試合を重ねる中で、シェイドゥラエフの思わぬ弱点が露呈する可能性もある。今のところ圧勝の連続で隙を見せていないからこそ“謎”も多く、そこがまたシェイドゥラエフへの興味をそそる。いったいどこまで強いのか、隙を見せることなどあるのか、と。
サトシでさえヒザ一発でベルトを奪われることもあるのが格闘技だ。この世界に“絶対”はない。しかしシェイドゥラエフだけは“絶対”かもしれない。そのせめぎ合いに、我々は心を奪われる。
取材・文●橋本宗洋
【画像】担架で搬送される瞬間の朝倉未来
2015年に旗揚げして10周年。“聖地”とも言える会場のさいたまスーパーアリーナは2026年1月から改修工事のため休館となる。現状の「たまアリ」では最後のRIZIN開催ということだ。そんな重要な大会に、ゲストとしてPRIDE時代からのレジェンドであるミルコ・クロコップ、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラも来日を果たしている。
試合内容も、RIZIN10年の歴史の中でも屈指のものだったと言える。プロ顔負けの攻防を展開した第0試合のRIZIN甲子園決勝、ジョリーが芦澤竜誠を秒殺した第1試合からインパクト絶大。福田龍彌と安藤達也は打撃戦で観客を沸かせた。
後半戦の5大タイトルマッチは、すべてが年間ベストバウト級と言ってもよかった。伊澤星花はRENAのパンチでダウンしながら逆転一本勝ちで女子スーパーアトム級王座防衛。ダニー・サバテロは井上直樹をドロドロの我慢比べで振り切り、バンタム級新王者となった。
フライ級トーナメント決勝、扇久保博正vs元谷友貴は魂の打ち合いを制した扇久保が悲願のRIZIN初戴冠。ライト級タイトルマッチでは、絶対王者のホベルト・サトシ・ソウザが敗れる大波乱が起きた。しかも相手は欠場選手の代打としてマッチメイクされたイルホム・ノジモフ。タックルに対して「練習していた」というカウンターのヒザを完璧に当ててのKOだ。
そしてメインイベント。フェザー級タイトルマッチでは王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフが圧倒的な強さを見せた。これが3度目の王座戦となる挑戦者・朝倉未来を1ラウンドでTKO。
未来の足を掴むと大きく持ち上げてマットに叩きつける。なんとか立ち上がろうとする未来のバックを取ると、今度はジャーマン・スープレックスを連発。
「会場を盛り上がるためにやりました」
日本のファンの声援がモチベーションになるというシェイドゥラエフは、試合後にそう語った。グラウンドでは左右のパウンドを振り下ろす。いっそバイオレンスと呼びたくなるような無慈悲な拳の連打で試合は終わった。シェイドゥラエフはこれでデビューから16連勝。しかもすべて一本・KOでの勝利だ。破格の強さと言うしかない。
「目標はパウンド・フォー・パウンドです」
シェイドゥラエフは言う。そのために他団体の選手とも闘いたいし、相手は選ばないと(ただ友人であるノジモフとの王者対決は乗り気ではないそうだ)。
RIZINフェザー級にも、この日ヴガール・ケラモフに勝利したクレベル・コイケなどの挑戦者候補がいる。スクランブル出場ながら鮮やかなKO勝ちを見せた新鋭・秋元強真、欠場中だが平本蓮に期待する声も。
2026年はシェイドゥラエフの試合がRIZINの目玉カードになっていきそうだ。試合を見守ったミルコやノゲイラ、あるいはエメリヤーエンコ・ヒョードルが活躍した全盛期のPRIDEのような熱気に、今のRIZINは近づきつつある。世界最高峰の舞台はUFCであるにしても、それに負けず劣らずと思える選手がRIZINにもいる。その代表格がシェイドゥラエフだ。
もちろん、現時点で誰がシェイドゥラエフに勝てるのかは分からない。正直に言えば、対戦相手選びから難しいだろう。「この男ならシェイドゥラエフに勝てる」と思いを託すことができる存在が出てくるかどうか。その部分も大きなテーマだ。
ただ試合を重ねる中で、シェイドゥラエフの思わぬ弱点が露呈する可能性もある。今のところ圧勝の連続で隙を見せていないからこそ“謎”も多く、そこがまたシェイドゥラエフへの興味をそそる。いったいどこまで強いのか、隙を見せることなどあるのか、と。
サトシでさえヒザ一発でベルトを奪われることもあるのが格闘技だ。この世界に“絶対”はない。しかしシェイドゥラエフだけは“絶対”かもしれない。そのせめぎ合いに、我々は心を奪われる。
取材・文●橋本宗洋
【画像】担架で搬送される瞬間の朝倉未来
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