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「後悔は微塵もない」リンゼイ・ボン、悲痛なクラッシュから沈黙を破る “わずか5インチ”が分けた明暗と不屈の覚悟【冬季五輪】

THE DIGEST編集部

2026.02.10

前十字靭帯を断裂した状態でスタート台に立ったリンゼイ・ボン。(C)Getty Images

前十字靭帯を断裂した状態でスタート台に立ったリンゼイ・ボン。(C)Getty Images

 スキー界のレジェンド、リンゼイ・ボンがミラノ・コルティナ五輪での悲痛な事故を経て、ついに沈黙を破った。

 女子滑降に出場したボンは、開始わずか13秒で転倒。理想のラインとの差はわずか5インチ(約13センチ)。勝利を狙い、限界まで攻めたそのわずかなズレが右腕をゲートに引っかける結果となり、転倒につながったという。現地2月9日、米紙『New York Post』が報じた。
 
 特筆すべきは、ボンが大会わずか9日前に前十字靭帯を断裂した状態でスタート台に立っていたという事実。「今回のクラッシュと怪我は無関係」と話す言葉からは、言い訳を排除して己の限界に挑んだアスリートの覚悟がにじみ出ている。

 ヘリで病院へ搬送され、複数回の手術を余儀なくされるという過酷な結末。しかしボンの心は折れていない。「勝つチャンスを持ってあの場に立てたこと自体が、ひとつの勝利だった。肉体的な激痛はあるが、後悔は微塵もない」と断言した。

 引退を撤回して挑んだ今シーズン、ボンは「不可能」を現実に変えてきた。ワールドカップで2勝を挙げ、8戦中7回も表彰台に登る驚異的なパフォーマンスで世界を熱狂させた。

「夢が破れ、心が折れることもある。だが、挑戦できるのが人生の美しさ」。ボンの言葉は、単なるスポーツの枠を超え、困難に立ち向かう全ての人へのメッセージとなった。彼女の五輪は幕を閉じたが、その不屈の精神は、これからも多くの人に勇気を与え続けるだろう。  

構成●THE DIGEST編集部

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