専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
ラグビー

W杯での“忍者トライ”から10年――4児の父となった山田章仁が現役を楽しみ続ける理由【ラグビーリーグワン】

向風見也

2026.04.24

九州KVのウイング山田章仁。リーグ戦通算トライ数の記録更新にあと2つと迫っている。写真:JRLO

九州KVのウイング山田章仁。リーグ戦通算トライ数の記録更新にあと2つと迫っている。写真:JRLO

 やりたいことはやりつくしているようにも映る。

 世界中の子どもたちが夢を抱くきっかけとなりたいからとプロラグビー選手になった山田章仁は、2015年に日本代表としてワールドカップイングランド大会に出場。初戦では当時優勝2度(計4度)の南アフリカ代表を下してラグビーブームを巻き起こし、サモア代表との3戦目ではゴールラインの手前で回転して相手をかわす「忍者トライ」を刻んだ。

 歴史的3勝を挙げたこの戦いを前後して、現埼玉パナソニックワイルドナイツの一員として旧トップリーグを4度も制し、全部で10個の個人タイトルも獲得。アメリカンフットボール挑戦や複数のテレビ出演でも話題を作った。
 

 さらにさかのぼって2000年代前半の学生時代には、単身でのオーストラリア留学を2度。代表デビュー後には同国のウェスタン・フォースと契約して国際リーグのスーパーラグビーへ挑んだり、その舞台に日本から参戦するサンウルブズで大いに爪痕を残したり。フランスやアメリカでもプレー経験がある。

 地球のあちこちでマイルストーンを積み上げ、現在40歳。同世代や後輩が次々と引退を選択するなか、ずっと変わらずに現役生活をエンジョイする。満腹感はない。

 いまいるリーグワン2部の九州電力キューデンヴォルテクスでリーグ戦通算最多トライ記録の更新にあと2と迫っているが、戦う動機はレコードの達成のみにとどまらない。

 平日にチームメイトと息を合わせ、週末のゲームで腕を試すという日常そのものに価値を見出す。

「日本一になりたいという思いはあるんです。今年もこのチームで毎週勝ちたい。でも、それがゴールになっちゃうと、どこかでつまらなくなるのかもしれないです。ただ、新しい仲間と出会える、もっと言えば新しい自分に出会えることが楽しみ。だから、人生でこのサイクルはできるだけ続けたい。1回しかない人生。折角、(長く)頑張ったから」

 振り返れば、少年時代に出会った上手な選手が両親の助言で競技を離れたことがあった。プロになってからも怪我で辞めた後輩を見てきた。

 さりとて己は誰にも進路を止められず、計画的なコンディショニングのおかげでいまなお身体が動く。活躍の場が与えられる。その幸せをかみしめるのは自然だ。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号

  • soccer_digest

    4月10日(金)発売

    定価:980円 (税込)
  • world_soccer_digest

    4月16日(木)発売

    定価:890円 (税込)
  • smash

    4月21日(火)発売

    定価:800円 (税込)
  • dunkshot

    4月24日(金)発売

    定価:1100円 (税込)
  • slugger

    4月10日(金)発売

    定価:1200円 (税込)