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モータースポーツ

「涙が止まりません」兄と慕った亡き富沢祥也に捧げる、長島哲太がMoto2・カタールGP初優勝!

甘利隆

2020.03.10

富沢祥也(左)を生前兄と慕った長島哲太(右)がカタールGPで初優勝を飾った。(C)Getty Images

富沢祥也(左)を生前兄と慕った長島哲太(右)がカタールGPで初優勝を飾った。(C)Getty Images

 キャリア70戦目にして、長島哲太(レッドブル・KTM・アジョ)が“2輪のF1”MotoGPの中量級、Moto2クラスで初優勝を遂げた。

 トップチェッカーを受けたゼッケン45番が、何回も拳を大きく握り締め、最後に突き上げるその様子からは万感の思いが見て取れた。ウィニングランの途中、天を見上げ、指差したその先には、おそらく生前“兄”と慕っていた富沢祥也の姿があったのだろう…。

 長島と勝利を捧げた富沢との関係は深く、ポケバイをはじめた3歳の頃から交友を持ち、互いをファーストネームで呼び合う仲。ヒーローのような存在の“兄”とはポケバイやミニバイクのレースを一緒に走り、全日本ロードレース選手権には『チーム・Projectμ(ミュー)・FRS』のチームメートとして共に参戦した。

 そしてくしくも今から10年前、2010年のカタール・ドーハでの開幕戦、2ストロークエンジンの250ccクラスに代わって新設された4ストローク・600ccエンジン(現在はトライアンフ製の765ccエンジンを使用)のMoto2クラス初戦を制したのが富沢だった。
 
  2020年開幕戦となったカタールGPは、新型コロナウイルスの影響で、MotoGPクラスは中止。あらかじめ公式テストでライダー、スタッフが現地入りしていたMoto2・Moto3クラスのみ開催され、Moto2クラス決勝はナイトレースに変更された。

 20周で行なわれた決勝を予選14番手からスタートした長島は、最速ラップを連発しながらレース中盤時点で7位まで順位を上げ、15周目に一旦ポジションを2つ落としたものの、3周を残した18周目にトップへと浮上する。

 残りの2周その位置を守りきり、団子状態の2位争いを制したロレンソ・バルダッサーリ(フレックスボックス HP 40)に1.347秒の差をつけて優勝した。3位にはエネア・バスティアニーニ(イタルトランス・レーシング・チーム)が入った。

 長島がTwitterで「開幕戦勝ちましたー! 言葉にできないくらい嬉しくて、涙が止まりません! 笑 沢山の応援本当にありがとうございます!」と喜びを爆発させると、祝福に沸いた。
 

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