新型コロナウイルスの脅威は、一年に一度の祭典をも襲った。

　現地木曜日、国際フィギュアスケート連盟はカナダ・モントリオールで開催予定だった世界選手権（３月16～22日）の中止を発表。日本からは羽生結弦、宇野昌磨、田中刑事、紀平梨花、樋口新葉、宮原知子の男女６名がエントリーしていたが、無念の一報を受け取ることとなった。

　そんななか、女子の金メダル候補最右翼と目されていた16歳、アリョーナ・コストルナヤ（ロシア）が自身のインスタグラムを更新。昨年のグランプリ・ファイナルを制した新女王は「不幸にもウイルスの影響があって、モントルオールで私たちのプログラム（演目）はお見せできなくなりました」と残念そうに綴る一方で、「それでも私たちは落ち込んではいません。練習に励むだけです！」とポジティブに前を向いた。

　メッセージとともにアップロードしたのが、ジムでのトレーニングの様子だ。タイヤやバランスボール、ハードルなどを並べて、順番にリズミカルに跳んでは止まるサーキット。簡単そうに見えてかなりの難易度だと思われるが、コストルナヤはこともなげにさらっとクリアしている。

  　投稿をチェックしたファン・フォロワーからは、コストルナヤへの励ましのメールが殺到するとともに、「スーパークール！」「君の美と技は半端ない」「素晴らしいバランス感覚だ」「来季が待ち遠しいよ」「美しさが止まらない！」などなど、さまざまな反響が寄せられている。ちなみに一緒にトレーニングしているのは、平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ。彼女も自身のインスタ「ストーリー」に動画を公開し、抜群の運動神経を披露している。

　コストルナヤがメッセージで“私たち”と表現したのは、もちろん同門で、揃って世界選手権に出場する予定だったアレクサンドラ・トゥルソワ、アンナ・シェルバコワのふたり。いまやロシア３新星とも称される驚異のトリオだ。グランプリ・ファイナル、欧州選手権に続く世界選手権での表彰台独占は、１年後にお預けとなった。

構成●THE DIGEST編集部

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