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「今の限界の先へと行けるよう」フィギュア世界選手権中止に羽生結弦がコメント。プレ五輪の来季へ意気込み

THE DIGEST編集部

2020.03.14

世界選手権には平昌五輪のプログラムで挑もうとしていた羽生。 (C) Getty Images

 カナダのモントリオールで開催予定だったフィギュアスケートの世界選手権は、カナダ・ケベック州の要請をうけ、59年ぶりに中止を発表した。

 同コンペティションは今季最終戦という位置づけであり、選手たちにとってはシーズンを締めくくる大切な大会だった。

 羽生は日本スケート連盟を通じ、「残念だが、選手や観客、スタッフへの感染拡大のリスクが、減ったことに安堵する気持ちもある。今回の中止を受けて、改めて新型コロナウイルスやウイルス感染について考える機会ができたと思う。より一層、注意を払って生活していかなくてはと思った」とコメントを発表。そして、「来シーズンに向けて、今の限界の先へと行けるよう、練習していく」と来季への抱負を語っている。

 五輪公式チャンネル『Olympic Channel』では、さらなる羽生のコメントを、このように紹介している。

「キャンセルは確かに残念ですが、同時に、アスリートだけでなく、観客やイベントを運営するスタッフにとっても伝染のリスクを減らすのに役立つかもしれないという安心感を感じています。私は、最後の最後まで、これらの困難な時代の中で競争の場を提供してくれたISUに感謝しています」
 
 2度の五輪王者である羽生は、19年12月に行なわれたグランプリ・ファイナル、全日本選手権で2位に甘んじた。しかし、2月に行なわれた四大陸選手権では、平昌五輪のプログラムに戻し、大会を制覇。男子シングルの選手としては初めて、ジュニア・シニアにおける主要な国際大会を制する「スーパースラム」を達成している。

 世界選手権では、GPファイナルで敗れたネイサン・チェン、全日本選手権で敗れた宇野昌磨と改めて対戦する予定だった。4回転半(クワド・アクセル)への挑戦も表明し、3年ぶりの世界王者への意欲を見せていただけに、今回の中止は悔やみきれないだろう。

 しかし、北京冬季五輪のプレシーズンともなる2021年にも挑戦の意志を示したことは、ファンには朗報だろう。羽生自身が目標に掲げている4回転半ジャンプ(クワドアクセル)も含め、より高みを目指すという決意表明にほかならない。

 手ごわいライバルたちとの闘いを見据え、今は準備の時となりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部
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