1994年以来、3度目の日本開催となった第20回アジア競技大会は、トラブルが多発している。9月19日の開会式前に入国時の情報システム障害、宿泊施設の不備から始まり、選手・関係者の交通手配ミスなど各国代表団がアクシデントに見舞われた。関係者からは「日本の大会とは思えないぐらいひどい」との嘆きが噴出している。
なぜ32年ぶりの自国開催で問題が起きているのか。愛知・名古屋アジア大会の運営をめぐり、中国メディアが複数の問題点を報道した。
最初に問題となったのは、宿泊環境だった。名古屋港ガーデンふ頭に設けられた木造式のコンテナ型宿舎に割り当てられた韓国の男子バスケットボール代表は、35平方メートルの部屋に4つのベッドが置かれ、身長2メートルを超える選手が足を伸ばせない状況だった。東海地方を中心に襲った豪雨の影響で洗面台から水が漏れ、床が水浸しになった映像をSNSに投稿した選手は「助けてください」と訴える事態に。韓国バスケットボール協会副会長は「宿泊環境だけを見れば、史上最悪のアジア大会だ」などと批判した。
交通面では、韓国の男子サッカー代表チームが異例の事態に見舞われた。15日のカタール戦では、大会組織委員会が手配した2台のバスが選手を試合会場(名古屋市の瑞穂公園ラグビー場)ではなく野球場へ連れて行くという前代未聞のミスが発生。2チームが約30分遅れで会場入り。到着した時には、キックオフまで約1時間余り。外はどしゃ降りの大雨と混乱続きだった。韓国代表チームのスタッフは、「このようなことが、国際大会で起きるべきではない」と、怒りを露わにしたという。
韓国の民間放送局『SBS』は、こうした大会組織委員会の「未熟な運営によって韓国代表が連日不便を強いられている」と報道。さらに誤って向かった野球場についても「今大会の野球競技が開催される場所ですらなかった」と呆れた。韓国サッカー協会は組織委員会からの謝罪を受け入れず、「これは正常な大会運営ではない」と公式に非難した。
これだけではない。16日には、中国の男子体操チームが中部国際空港(名古屋)に到着した際、アジア大会の組織委員会の登録や輸送管理システムに深刻な障害が発生。体操チーム21人のうちシステムが認識できたのはわずか2人で、全員が約6時間待機を強いられた。同代表のエース張博恒は中国版のSNS「微博(ウェイボー)」に一連のトラブルの経緯を振り返り、「アジア大会の初日はひどい目にあった。昨晩は結局、宿泊先の船に行きつくことができず、ホテルに泊まることになった。12時間も空腹のままだった」と綴った。
こうした出来事を列挙した中国の日刊紙『中国青年報』は、アジア大会を巡る運営トラブルについて、「愛知・名古屋アジア大会は開幕前からすでに大混乱だ」と断罪。記事のなかで、「信じ難い出来事を羅列していくと、一つの問いが浮かんでくる。日本の『お・も・て・な・し』とは、いったい何だったのか...」と問題視し、次のように論じた。
「宿舎の水漏れ、誤った球場へ向かうバス、機能しない入国システム——。これらは個別の失敗ではなく、準備と調整の全体が機能していなかったことを示している。選手たちは競技に集中するために来ている。しかし実際には、移動・食事・宿泊という基本的な生活の確保に、エネルギーを削られ続けた。完璧な運営などというものは、もしかしたら幻想かもしれない」
開催準備における組織的な課題を浮き彫りにした今回の愛知・名古屋大会。アジア最大のスポーツの祭典は、前途多難なスタートとなっている。
構成●THE DIGEST編集部
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最初に問題となったのは、宿泊環境だった。名古屋港ガーデンふ頭に設けられた木造式のコンテナ型宿舎に割り当てられた韓国の男子バスケットボール代表は、35平方メートルの部屋に4つのベッドが置かれ、身長2メートルを超える選手が足を伸ばせない状況だった。東海地方を中心に襲った豪雨の影響で洗面台から水が漏れ、床が水浸しになった映像をSNSに投稿した選手は「助けてください」と訴える事態に。韓国バスケットボール協会副会長は「宿泊環境だけを見れば、史上最悪のアジア大会だ」などと批判した。
交通面では、韓国の男子サッカー代表チームが異例の事態に見舞われた。15日のカタール戦では、大会組織委員会が手配した2台のバスが選手を試合会場(名古屋市の瑞穂公園ラグビー場)ではなく野球場へ連れて行くという前代未聞のミスが発生。2チームが約30分遅れで会場入り。到着した時には、キックオフまで約1時間余り。外はどしゃ降りの大雨と混乱続きだった。韓国代表チームのスタッフは、「このようなことが、国際大会で起きるべきではない」と、怒りを露わにしたという。
韓国の民間放送局『SBS』は、こうした大会組織委員会の「未熟な運営によって韓国代表が連日不便を強いられている」と報道。さらに誤って向かった野球場についても「今大会の野球競技が開催される場所ですらなかった」と呆れた。韓国サッカー協会は組織委員会からの謝罪を受け入れず、「これは正常な大会運営ではない」と公式に非難した。
これだけではない。16日には、中国の男子体操チームが中部国際空港(名古屋)に到着した際、アジア大会の組織委員会の登録や輸送管理システムに深刻な障害が発生。体操チーム21人のうちシステムが認識できたのはわずか2人で、全員が約6時間待機を強いられた。同代表のエース張博恒は中国版のSNS「微博(ウェイボー)」に一連のトラブルの経緯を振り返り、「アジア大会の初日はひどい目にあった。昨晩は結局、宿泊先の船に行きつくことができず、ホテルに泊まることになった。12時間も空腹のままだった」と綴った。
こうした出来事を列挙した中国の日刊紙『中国青年報』は、アジア大会を巡る運営トラブルについて、「愛知・名古屋アジア大会は開幕前からすでに大混乱だ」と断罪。記事のなかで、「信じ難い出来事を羅列していくと、一つの問いが浮かんでくる。日本の『お・も・て・な・し』とは、いったい何だったのか...」と問題視し、次のように論じた。
「宿舎の水漏れ、誤った球場へ向かうバス、機能しない入国システム——。これらは個別の失敗ではなく、準備と調整の全体が機能していなかったことを示している。選手たちは競技に集中するために来ている。しかし実際には、移動・食事・宿泊という基本的な生活の確保に、エネルギーを削られ続けた。完璧な運営などというものは、もしかしたら幻想かもしれない」
開催準備における組織的な課題を浮き彫りにした今回の愛知・名古屋大会。アジア最大のスポーツの祭典は、前途多難なスタートとなっている。
構成●THE DIGEST編集部
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