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ラグビー

【ラグビー】なぜ日本代表はフィジーに勝てたのか? 7大会ぶり優勝を支えた“151本”のモールと敗戦からの学び

向風見也

2026.09.25

日本は強豪フィジーを決勝で破り、7大会ぶりのPNC優勝を決めた。(C) Getty Images

日本は強豪フィジーを決勝で破り、7大会ぶりのPNC優勝を決めた。(C) Getty Images

 ラグビー日本代表が叫び、歌っていた。

 9月19日夜、東京・秩父宮ラグビー場はスタンド下のロッカールームである。聖者の行進のメロディに乗せ、幾度となく「おめでとう」と連呼した。

 この日は環太平洋、北米大陸諸国によるパシフィック・ネーションズカップの決勝で、世界ランクで3つ上だったフィジー代表に20―15で勝利。向こうの3連覇を止め、7大会ぶりに頂点に立っていた。
 
 熱狂の小箱の近くには、記者会見場がある。ここに待ち構えた報道陣は、心なしかいつもより穏やかに映るエディー・ジョーンズヘッドコーチ、微笑みをかみ殺すスクラムハーフの齋藤直人が入室するのを受け入れる。

 予定より4分ほど遅れて始まった記者会見で、齋藤が頂点に立った価値を語る。

「過去、勝てていなかった大会でタイトルを獲れたのは、若いチームの自信に繋がります」

 万事で先手を取って動く『超速ラグビー』がコンセプトの現体制は、2024年に始動。ここまで23年度以前のスコッドを大幅に若返らせたり、コーチングスタッフの定着率アップに苦心したりしながら、発足3季目に入り積み上げの成果を示しつつある。

 7月以降のテストマッチの戦績はここまで4勝4敗。新設のネーションズチャンピオンシップの初戦でイタリア代表を下したのを含め、自国を上回っていたライバルを2回も倒せた。その時々の向こうの状態がどうであれ、成功体験を積み上げたのは確かだ。

 さらにこの日に至っては、失敗を乗り越えて接戦を制していた。

 10―12とリードされていた後半13分頃には、一度はチャンスを逃しながらも直後にターンオーバー。5分後までにスコアに至った。

 続く25分にタイスコアに持ち込まれ、その後もピンチを迎えながら、殊勲のフランカー、ベン・ガンターのビッグタックルをきっかけに形勢逆転。32分に泥臭く勝ち越し、逃げ切った。最後は敵陣で手堅く守り、球を手にするや時間を稼いだ。

 チームはこの1年以内で、ウェールズ代表、オーストラリア代表に惜敗している。特に前者は手痛い逆転負けだ。

 齋藤は「(フィジー代表戦の終盤は負けた)ウェールズ代表戦と同じような(最後まで競った)シチュエーション。リードして残り少ない時間をどう過ごすか、同じ絵を見て、(意思)統一して試合を締められた。チームの成長を感じました」。集団がマイルストーンを積み上げた事実について、臨席のジョーンズもこう頷く。

「きょうは勝負どころですべきことをやり、勝利を得られたのが大きい」
 
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