陸上

日本に12年ぶりとなる金メダルをもたらした男子4×400mリレー「マイルの未来は明るい」侍4人衆の“証言”【アジア大会】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2026.09.30

12年ぶりに金メダルを獲得した日本のマイルリレー。左から佐藤、林、今泉、中島。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 32年ぶりに日本で開催されている愛知・名古屋アジア大会は9月29日、陸上の男子4×400メートルリレー決勝が行なわれ、日本は3分00秒75で金メダルを獲得。14年仁川大会以来、12年ぶりの快挙となった。マイル侍4人衆がレース後、勝因を語った。

 この種目のアジア記録(2分58秒33)を持つ日本は、1走に佐藤風雅、2走に林申雅、3走に今泉堅貴を配置。そして、4走に男子400メートルで銅メダルを獲得した中島佑気ジョセフが入る布陣で臨んだ。

 激しい雨が降る中、レースは1走の佐藤が序盤からスピードを上げて3番手まで浮上。2番手の林が200メートル付近でトップに立つと、3走の今泉にバトンを渡す。混戦状態から、今泉が一歩抜け出してトップをキープしたまま、アンカーの中島へ。トップを守った中島は、後続が迫る中でもギアを上げて1着でフィニッシュした。

 4走を務めた中島は「金メダルが取れたのが本当に嬉しい。個人で悔しい分、最後しっかり手に取るという強い思いで走った」と振り返った。レース後半に差を詰められる場面もあったが、「後半で負けるとは思わなかった」と語り、前の3人がリードを作ってくれたことが余裕につながったとも明かした。

 3走を務めた今泉は、表彰台の景色について「君が代が流れて、歴代のメダリストの皆さんもこういう気持ちで聞いていたんだな、とこみ上げてくるものがあった」と感慨深く述べた。アジアを制し、今度は世界を見据える。「2分55秒を切るチームに近づかなければならない。個人の総力をもっともっと上げていかないと」先を見据えた。
 
 2走の林は「前半からいい感じにスピードに乗れた。個人では不甲斐ない走りだったので、マイルだけは足を引っ張るわけにはいかないという気持ちで走った」と語った。

 ベテランの佐藤は第1走者として先行する展開を演じながらも「ラストで動きが止まってしまった」と反省を口にした。一方で、強豪カタールを破った価値を強調。「去年、世界陸上でも決勝に残っているし、メンバーも揃えてきている。アジア記録は僕らは持っていますけど、直近の試合では負け越していたので、そこのチームに勝てたのはすごい収穫」と胸を張った。それを踏まえ「マイルの未来は明るい」と手応えを示した。

 日本のマイルチームの強みについて中島は、「一人一人が冷静にレース展開できること」と分析し、スピードタイプと後半にまとめるタイプがバランスよく揃っている点も挙げた。ただ、"個の力"の重要性も自覚はしている。ゆえに、中島はリーダーとしてチームを引っ張る覚悟を示した。

「世界リレーとか見てても、43秒前半のラップっていうところが必要になってくるので、やっぱり個人でまずはメダルを取れるっていうところ。僕がやっぱり今後さらにチームを引っ張っていくような存在にならないといけないと思ったので、やっぱり44秒。全部44秒でチームを作れれば、すごい強いチームも必然的に32分55秒とかやるようになってきます。それを(来年の)北京の世界陸上で出すっていうところが可能性のあるところだと思っていますので。そこに向けて全員で一緒に頑張っていきたいと思います」

 自国開催の最終種目を金メダルで締め有終の美を飾った日本。昨年の東京世界陸上では、同じような大粒の雨が降るなか予選敗退を喫したマイル侍が、再び巡ってきた自国の大舞台で、悔しさを晴らした。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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