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ゴルフ

「手応えは完ぺきでした」古江彩佳の粘りが生きた“プロ初勝利への一打“。安定感と修正力はすでに「いいお手本」だ

山西英希

2020.09.20

プロ初勝利を挙げた古江。プレーオフでは「攻めることだけを考えよう」と強気の姿勢で激戦を制した。(C)Getty Images

プロ初勝利を挙げた古江。プレーオフでは「攻めることだけを考えよう」と強気の姿勢で激戦を制した。(C)Getty Images

 国内女子ツアーの『デサントレディース東海クラシック』最終日、優勝争いは古江彩佳と東浩子の一騎打ちとなった。首位タイでスタートしたこの日、ともに4バーディ、ノーボギーの68をマークして通算15アンダーでホールアウト。プレーオフ1ホール目で古江がバーディを奪い、ツアー2勝目、プロとしては初勝利を挙げた。

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 昨年の『富士通レディース』で史上7人目のアマチュア優勝を飾った実力は、やはりフロックではなかった。不利な状況でも驚異的な粘りを見せたのだ。

 後半のインコースに入り、東が積極的にピンを攻めるのとは対照的に、古江のショットは思うようにピンに絡まない。「緊張して体が思うように動かなかった」からだ。「ピンを攻めなければいけない気持ちとスコアを守らなければいけない気持ちの間にいたことで、体が固まったんだと思います」というように、最終組には1打でもスコアを落とせば負けてしまうという緊張感が漂っていた。

 そんな状況で古江は必死にパーを拾い続け、17番を終えても東からピタリと離れない。ようやく最終18番パー4では、難しい下りの18メートルを沈めてバーディを奪う。結果論だが、仮にこのパットを決めていなければ、東も7メートルのバーディパットを沈めただけに1打差で敗れていた。
 
 その粘りがプレーオフに生きる。「もうスコアのことは気にしなくていい。攻めることだけを考えよう」と決めた1ホール目、最終18番ホールが舞台となったが、本戦ではフェアウェイを狙ったティショットが右サイドのラフにつかまっていた。その反省を生かし、今度はしっかりとフェアウェイにボールを運ぶ。

 圧巻だったのは、そこから放ったセカンドショットだ。ピンまで残り114ヤード、ピッチングウェッジで放ったボールはピンに向かって真っ直ぐ飛んで行く。「手応えは完ぺきでしたが、アゲンストがどのように影響するのが心配でした」という古江の不安を一掃するかのように、ボールはピンそばに落ちるとカップの右30センチ弱のところに止まる。東が7メートルのバーディパットを外して、先にパーでホールアウトしていたため、ウイニングパットを沈めた古江が激戦を制した。
 

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