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フィギュア

新プログラム投入のチャンスを失った紀平梨花。相次ぐ大会中止によるスケーターへの影響は?

辛仁夏

2020.11.09

今季から新プログラムに挑戦している紀平。フランス杯が中止となり、今後の予定は明らかになっていない。(C)Getty Images

今季から新プログラムに挑戦している紀平。フランス杯が中止となり、今後の予定は明らかになっていない。(C)Getty Images

 先月23日に今季のグランプリ(GP)シリーズが開幕。第1戦・スケートアメリカは無事に無観客で行なわれ、新型コロナ禍の中で何とかフィギュアスケートの北京五輪プレシーズンが始まった。しかし、第2戦のスケートカナダと第4戦のフランス杯の中止が決まり、現時点ではGP大会はすでに開催されたスケートアメリカを除けば5戦中3戦が行なわれる予定である。

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 そんな中、フランス杯に出場を予定していた紀平梨花や宇野昌磨らはGP大会出場の機会が失われた状態だ。ショートプログラム(SP)、フリーともに新しいプログラムに挑戦している紀平にとっては、実戦でのお披露目がなくなったわけだが、先日放送されたテレビ朝日の報道ステーションで紀平は現在の心境についてこう答えていた。

「大事な試合を多くこなしていきたいと思っていたので、それがなくなってしまったのはちょっと経験が少なくなってしまうなというのはあるんですけど、フランスの状況を見ていたので(大会中止は)感づいてはいました…。(いまの状況については)びっくりしたり、いろんな気持ちにはなったりしたけど、調整する時間や日を設けずに毎日追い込んでやるべきことをずっとこなせるし、やっぱり試合がない方が(しっかり練習を積めるので)すごく強くなれるメリットがあると思っています」
 
 大抵の選手はシーズンオフに作った新しいプログラムをシーズンインまでの約4か月で滑り込み、シーズン中は実戦を通しての経験や審判員からの評価を参考に、プログラムを完成形に近づけていく。しかし、新型コロナ禍によりイレギュラーなシーズンとなった今季は、ほとんどの国際大会が見送られ、やっと先月下旬にGP大会が1戦行なわれただけというのが現状だ。紀平は出場予定だったフランス杯がなくなったことについてのメリットを語ったが、スケーターにとって試合がなくなることのデメリットは何だろうか。

 これまでの取材経験から推測すれば、けがで戦線離脱後に復帰した選手のほとんどが口にしていた①試合勘の喪失、②緊張感の中で演技ができないこと、③競い合いの経験が不足すること、④試合ごとに受ける審判員の評価をプログラムや練習に反映できないこと、などが挙げられるだろう。

 ただ、実戦機会がなくても、紀平のようなトップ選手は立ち止まっているわけではない。本人がSNSで配信していたジャンプ練習などを見る限り、一番の武器であるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)、新たな武器となる4回転サルコーは安定感が増していたし、ルッツ+ループの連続3回転ジャンプも跳ぶなど、ジャンプにキレの鋭さが見えた。昨季まで試合で1度挑戦して決められなかった大技もほぼ身につけており、いまは精度をさらに磨いている段階のようだ。
 

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