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チャンピオンズカップの注目馬を分析!国内無敗のクリソベリルは2連覇なるか?

三好達彦

2020.12.04

昨年の本レースの他、ジャパンダートダービー、帝王賞、JBCクラシックとGⅠ(JpnⅠ)を計4勝しているクリソベリル。写真:産経新聞社

昨年の本レースの他、ジャパンダートダービー、帝王賞、JBCクラシックとGⅠ(JpnⅠ)を計4勝しているクリソベリル。写真:産経新聞社

 クロフネ、カネヒキリ、ヴァーミリアン、トランセンドなど、歴代の勝ち馬には時のダート戦線を制圧した強豪の名前が並ぶチャンピオンズカップ(GⅠ/中京、ダート1800m)。前身であるジャパンカップダートから数えて21回目となる秋のダート王決定戦の構図を見ていきたい。

 いきなりの書き出しで”穴党”のファンを落胆させるかもしれないが、1分48秒5という驚愕のレコードタイムで昨年の本レースを制し、2連覇を狙うクリソベリル(牡4歳/栗東・音無秀孝厩舎)が占める主役の座は揺るがないだろう。

 ここまでの通算成績は9戦8勝。一度の敗戦は世界の強豪を相手にした遠征競馬のサウジカップだけで(7着)、国内ではいまだに無敗。昨年の本レースの他に、ジャパンダートダービー、帝王賞、JBCクラシックとGⅠ(JpnⅠ)を計4勝している内容の濃さも特筆ものだ。

 今春はサウジカップ参戦後、ドバイワールドカップへ転戦するため渡航したものの、コロナ禍の世界的拡大で急遽中止になるという不運に遭遇した。しかし、長距離輸送のダメージが心配された帰国後初戦の帝王賞は、前年の覇者であるオメガパフュームに2馬身差を付けて圧勝。秋の始動戦として選んだ11月3日のJBCクラシックでもやはりオメガパフュームを2馬身半差で退け、王者の地位が盤石であることをアピールしている。
 
 540㎏を超す雄大な馬体は4歳の秋を迎えてさらに迫力を増している。スピード勝負に不安はなく、ペースの緩急や馬場状態の変化に柔軟に対応できる自在性も持つクリソベリルにネガティブファクターを見出すことは難しい。15番という外枠に入ったことが不安材料とされるが、ジャパンダートダービー(12番枠)などで、その要素は既に克服済み。連覇達成の可能性は濃厚と見る。

 対抗格に挙げられるのは、17年の本レース覇者で、昨年もクリソベリルのクビ差2着に食い下がったゴールドドリーム(牡7歳/栗東・平田修厩舎)、通算成績4戦3勝のカフェファラオ(牡3歳/美浦・堀宣行厩舎)となる。前者は秋初戦のマイルチャンピオンシップ南部杯で6着に敗れたが、元来が”叩き良化型”のため、そこをステップに調子を上げてくるのは必至。後者はユニコーンステークスを5馬身差で圧勝した逸材で、古馬との初対戦となったシリウスステークスを快勝。あらためてポテンシャルの高さを印象付けた。2頭の比較では、いまだ能力の底を見せておらず、JRA・GⅠ騎乗機会4連勝中のクリストフ・ルメール騎手が手綱をとる点も加味して、カフェファラオのほうがより魅力的だと言える。
 

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