ゴルフ

自己採点は今季最高の「100点以上!」。2位タイ発進の渋野日向子が見せた“自分らしいゴルフ”

山西英希

2020.12.11

『全米女子オープン』初出場の渋野。初日を「68」で回り、首位1打差の2位タイ好スタートを切った。(C)Getty Images

 今季メジャー第4戦LPGAツアー『全米女子オープン』初日、渋野日向子が4バーディ、1ボギーの「68」で回り、首位と1打差の2位タイと好スタートを切った。

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 2か月前に同じ米国で開催された『KPMG全米女子プロゴルフ選手権』を通算11オーバーの58位タイで終えたとき、渋野は次のように語っていた。「今の自分の技術でメジャーチャンピオンというのはすごく恥ずかしい。メジャーチャンピオンという経歴を捨ててもいいと思いました」。メジャー3試合を含む6試合の海外遠征の中で、試行錯誤を繰り返しながらも必死で戦っていたが、『ポートランドクラシック』での24位タイが最高位だった。世界と自分のとの差をこれでもかと思い知らされた。しかし、その不安を遥か昔に追いやるようなプレーをこの日は見せる。

 13番パー5で8メートルを沈めて最初のバーディを奪った後、続く14番パー4でボギーを叩いたが、自分のペースを崩すことはなかった。後半のアウトコースでは、1番パー4で6メートル、5番パー5で2・5メートルを決める。さらに6番パー4ではカラーから10メートルを沈めて3アンダーまでスコアを伸ばした。2か月前の自信なさげにプレーする様子は微塵もなく、楽しそうにラウンドしている姿を見せつけた。
 
 国内ツアー最終戦の『ツアー選手権リコーカップ』では3位タイに食い込むまでに調子を取り戻していた渋野だが、その結果が果たして本物かどうか、今回は格好の試金石になると思われた。「ゴルフの調子もちょっとずつよくってきているので、昨年の『AIG全英女子オープン』に行った時みたいに臨めるのではないか」と渋野自身も語っていたが、それだけ自分のゴルフにある程度の手応えを感じていたのだろう。

 ただ、75回の歴史を誇る今大会で初めて予選ラウンドで2コースを使用するだけに、対応力も試される分、ハードルは高い。しかし、この日の渋野は2コースのうち、距離の長いチャンピオンズGCのサイプレスクリークコース(6731ヤード)をラウンドしたが、風が強く吹いていたにもかかわらず、フェアウェイを外したのはわずかに2回。グリーンも18ホール中15ホールでとらえ、83・3%という高いパーオン率をマークした。そのうえで30パットに抑えたのだから、パッティングも好調だったといえる。前回の海外遠征では相当苦しめられた距離感やラインの読みも苦にしている様子は微塵も感じさせなかった。「微妙な(距離の)パットも入ってくれましたし、ロングパットも寄せられました。距離感もよく、許容範囲というか、大きなミスはなかったと思います」と、本人も納得のグリーン上だった。