年内最後になり女子プロレス界に激震が走った。女子プロレス団体スターダムは26日、年内最終興行『STARDOM YEAREND CLIMAX』を東京・後楽園ホールで開催した。

　全試合終了後、毎年恒例となっている今年１年を振り返るエンディング映像が流れ終わったその時…何者かが乱入してきた。よく見るとシードリングの高橋奈七永と世志琥だ。奈七永はスターダムの創設メンバーで、選手を育成しながら自身も団体のトップとして引っ張っていたが、2015年5月に退団した。

　世志琥は世IV虎のリングネームで、スターダム１期生として2011年の旗揚げ戦でデビュー。2013年4月には東京・両国国技館大会で、愛川ゆず季さんの引退試合の相手を務めるなど、ヒールながら人気選手に登りつめた。しかし、2015年2月に世間をざわつかせるほどのケンカマッチを行なってしまったことの責任を取る形で、ワールド・オブ・スターダム王座を剥奪されてしまい、同年６月に10カウントなき引退セレモニーが行なわれ退団した。2016年にシードリングへ合流し復帰を果たしている。スターダム1期生の岩谷麻優とは同期だ。
  　奈七永は「どうも、お久しぶりです、スターダムさん、私は初代ワールド・オブ・スターダム王者の高橋奈七永です。今日はちょっと偵察に来ました」とあいさつ。続いて世志琥が「スターダムにウチらと試合できる骨のあるやつはいねえのかよ。ロッシーでもいいぞ。岩谷！おめーが女子プロレスのアイコンだったらよ、久々にウチとタイマンはれよ」と同期の岩谷を挑発。岩谷は「世志琥ちゃん、スターダムに出たいの？自分は10年間、このリングでスターダムを守ってきた。けど、あんたたちはスターダムからいなくなった。ここに上がるのはそんな簡単なことじゃないよ？」と一蹴。場内では古くからのファンが「帰れ」と2人に対する罵声も見られた。

　すると飯田沙耶とスターライト・キッドが「麻優さんが出る幕じゃない」と名乗り出るが、奈七永が「飯田にキッド？おこちゃまたちじゃ相手になんないんだよ。麻優出てこいよ！他に誰かいないのか？」と挑発を続けると、このやり取りを見ていたジュリアがマイクを取る。「プロレス大賞を獲り損ねた世志琥さんじゃないですか」と嫌味を混じえて言えば、奈七永を知る渡辺桃も「これはユニットとか関係なく、スターダム全体の問題。私がやります。奈七永さん5年前の私だと思ったら痛い思いしますよ」とスターダムの“外敵”となって戻って来た奈七永と世志琥に刃を向けた。

　世志琥は「ウチはテメーとシングルやるまで逃げも隠れもしねえからな。楽しみにしとけよ。テメーらに、本当の女子プロレスを見せてやる！」と岩谷をにらみつけて奈七永とともにリングから去った。