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悪質な“いじめ”の暴露はなぜ起こったのか。被害者の怒りを買った双子妹の「匂わせ投稿」

THE DIGEST編集部

2021.02.19

イ・ジェヨン(左)とダヨン(右)の双子姉妹。チームの絶対的エースとの確執が噂されていた。(C)AFLO

イ・ジェヨン(左)とダヨン(右)の双子姉妹。チームの絶対的エースとの確執が噂されていた。(C)AFLO

 ひとつの告発文がネット上に掲載されてから、たったの10日間で国中を揺るがす異常事態へと発展した。

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 韓国バレーボール界は大混乱の最中だ。老若男女を問わない人気を誇っていた双子の姉妹、イ・ジェヨンとイ・ダヨン。十代から将来を嘱望され、前者は強力アタッカーとして、後者は名セッターとして着実に地位を築いてきた。現在はリーグ戦の首位を走る興国生命ピンクスパイダースでともに戦い、東京五輪出場を決めている韓国女子代表チームでも主軸を担っていた。

 だが、順風満帆だった24歳コンビのキャリアが暗転する。2月10日、中学時代のチームメイトがふたりから当時に受けた凄惨な“いじめ”行為を暴露したのだ。暴言や恫喝をはじめ、実際にゲンコツで殴打されたり、歯向かうとナイフで脅されたこともあったという。加害者は彼女たちを含む数名で、被害を受けたチームメイトは最低でも4名いるとした。

 この告発は一気に拡散し、姉妹はすぐさま謝罪文を公開。過去の愚行を詫びるとともに被害者への直接の謝罪、今後に向けた更生などを宣言したが、焼け石に水の状態だ。世論の怒りは収まらず、クラブが「無期限出場停止」を、韓国バレーボール協会が「代表チーム除外」を公表しても納得しない。大統領府の意見箱である「国民請願」には姉妹の永久追放を求める署名が約12万7000件近くも寄せられており、ムン・ジェイン大統領も遺憾の意を示す事態となった。

 そもそも、なぜ元チームメイトは告発を決意したのだろうか。ここ最近、韓国ではスポーツ界のみならず、芸能人や著名人に対しても過去の悪行を暴露する例が頻発しているが、複数メディアの報道によると、引き金はそこにはないようだ。
 

 昨夏、興国生命は覇権奪還に向けて、大型補強に踏み切った。コロナ禍で欧州からの撤退を考えていた韓国代表の主将にしてエース、キム・ヨンギョンの獲得に成功。さらにチームの主軸であるイ・ジェヨンの妹、イ・ダヨンを現代建設ヒルステートから引き抜く。強力スカッドで2020―21シーズンのスタートを切った興国生命は連戦連勝を続けた。

 しかし、舞台裏で深刻化していったのが、カリスマ的存在である32歳キム・ヨンギョンと24歳のイ姉妹による確執だ。とりわけダヨンとの仲が悪く、チームのムードにも影響するほど劣悪化していったという。実際に12月に入ってから連敗を喫するなど、チーム自体も不調に苛まれていく。

 セッターであるダヨンのトスがジェヨンにばかり集中していることにキム・ヨンギョンが不満を抱いたとか、芸能活動などに精を出す姉妹とプロフェッショナリズムの塊である代表主将との間に大きな価値観のズレが生まれたなど、さまざまな憶測が飛ぶ。そして、ダヨンが思い切った行動に出る。

 年が明けて自身のインスタグラムを更新。チーム内でいじめに遭い、辛い立場に置かれていることなどを綴り、暗にキム・ヨンギョンの関与を匂わせたのだ。

参照元●スポーツソウル日本語版

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