格闘技・プロレス

格闘界の神童ここにあり!那須川天心が志朗とのリマッチで完勝「キックにいる時間は少ないからこそ…」【RISE】

THE DIGEST編集部

2021.02.28

志朗との「究極の心理戦」を制した那須川が、圧倒的なパフォーマンスを披露した。 写真:滝川敏之

 格闘界の神童が舞った。

 2月28日、神奈川の横浜アリーナで、キックボクシング団体RISEの年間最大ビッグマッチ『RISE ELDORADO 2021』が開催され、メインマッチにバンダム級の那須川天心が登場。昨年の挑戦者決定トーナメントで優勝した志朗と対戦した。

 両者が張り詰めた緊張感を漂わせる中で、ゴングを迎えた一戦。2019年9月に判定(3-0)で勝利していた那須川は、切れ味鋭いパンチとミドルキックのコンビネーションでじわりじわりと志朗を追い詰めていく。

 2R以降も落ち浮いた試合運びで主導権を握っていった那須川。一方の志朗は反撃の糸口を見出せないまま、時間が過ぎる。迎えた3R目には、後がなくなった志朗が前掛かりに仕掛けるも、"日本格闘界の神童"は相手の動きを見ながら冷静に勝負所を見極め、反撃の余地を与えなかった。
 
 結局、3-0による判定勝ちを収めた那須川は、2021年の初陣直後にリング上で「勝ちました。良かった」と安堵しつつ、次のように続けた。

「今日はこういう状況の中で来ていただき、ありがとうございました。まず、戦ってくれた志朗君。本当に究極の心理戦というか。格闘技っていろいろなパターンがあって、今日はお互いに究極の駆け引きができて、そのなかで勝つことができてまた強くなれたと思います。久々に駆け引きをして勝てたのが嬉しく思います。成長させてくれた志朗君ありがとうございました」

 ライバルとの再戦で次元の違いを見せつけ、「ボクシングに行くとかいろいろと言われているなかで、僕がキックにいる時間は少ないんですよね。だからこそ、最後までしっかりRISEに恩返しして、キックを去る日まで無敗で行きたいと思います」と次戦以降に意気込んだ那須川。44戦全勝と連勝街道を突き進む、22歳の異端児からは、今後も目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部